ハシタイン

朝日日本歴史人物事典 「ハシタイン」の解説

ハシタイン

生年生没年不詳
16世紀中期の蝦夷地西部首長。康正2(1456)年のコシャマインの戦以来100年間続いたアイヌ民族和人との戦いに終止符を打った天文19(1550)年の講和体制の西部側の首長代表者。蠣崎季広(信広より4代目)は和人地と蝦夷地の境界を西部は天ノ河以南を蠣崎氏の勢力範囲として,また蠣崎氏を和人商人の唯一の統制者としてアイヌ民族に認めさせようとハシタインを「西夷の尹」(西蝦夷地の第一人者の意)に位置づけた。<参考文献>海保嶺夫『中世の蝦夷地』,松前景広編『新羅之記録』(『新北海道史』7巻)

(海保洋子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「ハシタイン」の解説

ハシタイン

?-? 16世紀中ごろのアイヌの首長。
天文(てんぶん)20年(1551)蠣崎季広(かきざき-すえひろ)がアイヌ民族と講和をむすんだ際の蝦夷地(えぞち)(北海道)西部セタナイ(瀬棚(せたな)町)の尹(いん)(代表者)。東部知内(しりうち)の尹はチコモタイン。この講和によって90年余つづいた和人との戦争状態に終止符がうたれ,蝦夷地交易の制度がさだめられた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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