バステト(読み)ばすてと(その他表記)Bastet

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バステト」の意味・わかりやすい解説

バステト
ばすてと
Bastet

猫の頭をもち、手にシストルム(金属製の簡単な楽器)と盾を持っている古代エジプトの女神。ギリシア名ではバストBastという。この女神は、あまり強くない適度の太陽熱を表しているといわれる。この女神の姿に見立てた実際の猫のミイラが数多く発見されている。崇拝の中心地はデルタ地帯のブバスティス(「バステトの館(やかた)」を意味するペル・バステトからこの名が出た。現在のテルバスタ)であった。この女神の夫はホルス神の一変形であるヘル(ギリシア名ではホルス)・ヘケンヌとされている。

矢島文夫


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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