てる(読み)テル(その他表記)tell

翻訳|tell

デジタル大辞泉 「てる」の意味・読み・例文・類語

てる

[連語]連語「ている」の音変化。上に付く語によっては「でる」とも。「いま考えてるところだ」「話はだいぶ進んでるはずです」→7

テル(tell)

西アジア一帯に分布する丘状の遺跡日干しれんがや石積み建造物廃墟となった地に建築が繰り返され、石材などが堆積して小高い丘となったもの。テぺ。タペ。

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精選版 日本国語大辞典 「てる」の意味・読み・例文・類語

て・る

  1. 〘 連語 〙 ( 「ている」の変化したもの。上に来る語によって「でる」とも ) ている。話しことばに用いられる。
    1. [初出の実例]「釘を打つすべも知ってるおいとしさ」(出典:雑俳・壬生の雨(1742頃))
    2. 「おもしろさうに およいでる」(出典:唱歌・こひのぼり(1931))

テル

  1. 〘 名詞 〙 ( [アラビア語] tel, tell 「丘」の意 ) 西アジア一帯に分布する丘状の遺跡。建造物が廃墟となった地に建築が繰り返されて、その石材や日干し煉瓦が堆積して小高い丘になったもの。「テペ」「タベ」などともいう。

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改訂新版 世界大百科事典 「てる」の意味・わかりやすい解説

テル
tell

人間が長期にわたって居住し,その結果できた建築材料を含む廃棄物によって形成された丘をいう。西アジアを中心に,中央アジア,パキスタンエジプトの一部,ヨーロッパ南東部に分布する。テルはアラビア語で,イランアフガニスタンではテペtepe,アナトリア高原ではヒュユクhüyük,ギリシア北部ではマグーラmaghoula,パキスタンではグンダイghundaiと呼ばれる。なおトルコ東部とイラク北部ではテペも用いられている。家屋の建築に主としてピゼpisé(練土)や日乾煉瓦を使い,水を確保するのに場所の制約がある乾燥地帯において,農耕社会が周辺の耕地地力を消耗させてしまわないように維持できる技術の段階に達したとき,長期にわたる定住の結果としてテルが形成される。日乾煉瓦などの建物が30~50年経過して古くなるか,地震などで壊れると,崩壊した煉瓦を地ならししただけで上に新しい建物を造るので,時代の経過とともに住居が高くなり,高くなりすぎると近くへ移って,テルないしテル群が形成される。したがってテルを上から建物の層ごとに発掘すると,その丘に累積した歴史を知ることができる。層の番号は上から下へ,すなわち新しい時代から古い時代へ付けられることが多いが,下層から上層へ番号を付けた発掘もあるので,テルごとの層を比較するときには注意を要する。遺跡名としてテルやテペを付けたものとそうでないものとの区別は,まったく便宜的なものである。
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百科事典マイペディア 「てる」の意味・わかりやすい解説

テル

西南アジアから小アジア,エジプトの一部にかけて,平野の中に作られた人工の丘。テルはアラビア語で,トルコ語ではテペtepe。建築の材料として用いた石や日乾煉瓦の長期間の堆積によってできあがったもので,円錐形をなすことが多く,頂部は平坦。新石器時代から歴史時代に長期にわたって作られたものが多いので考古学の層位的研究に絶好の資料を提供する。→層位学的研究法
→関連項目テル・サラサートラガシュ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「てる」の意味・わかりやすい解説

テル
てる
tell
tel

アラビア語で「丘」を意味する。イスラエルのテル・アビブTel Avivのテルも同じで、遺跡だけではないが、考古学上では遺跡だけを問題にする。建築のあり方は、その廃墟(はいきょ)の形態を左右する。木造家屋は朽ち果てて、礎石あるいは柱穴を残すだけであるが、日干しれんが建築や石積み建築は、用材がそのまま建築の基礎を覆うように堆積(たいせき)し、同じ地に建築が繰り返されると小高い丘となってゆく。西アジアでは古来そうした建築が営まれ、遺跡として残った。考古学上ではこの丘状の遺跡をテル、テペtepe、タペtapeなどとよぶが、テル・アビブのように現在も人が住む所の地名ともなっている。

[増田精一]

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化学辞典 第2版 「てる」の解説

テル
テル
ter

同じ構造の環(炭素環あるいは複素環)が3個互いに単結合で結合した環集合を命名する接頭語.たとえば,図の構造はp-テルフェニル(p-terphenyl)と命名する.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「てる」の意味・わかりやすい解説

テル
Tell; Tel

現在のイスラエルで「古跡の丘」を意味する言葉。アラビア語では「人工の丘」の意で,テペ Tepe,タル Tal,タペ Tapeなどは同様の意。特にいくつかの文化層の重なった丘を示し,オリエント世界の多くの古跡名にこれらの語が冠せられる場合はこの意味である。

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世界大百科事典(旧版)内のてるの言及

【日乾煉瓦】より

…古代メソポタミアでは長い間重要な建築材料として利用され,焼成煉瓦の使用が始まっても,神殿やジッグラトなどの大建造物の本体は日乾煉瓦で構築され,焼成煉瓦は壁面の仕上げなどに用いられるだけであった。西アジアにみられるテルは,日乾煉瓦やピゼ(煉土),石材による建築が倒壊したり廃棄されたのち,さらにその上に築いていった結果,高さ20~30mに達する丘となったものである。現在でもアフリカの北部,西部,西アジアから中国北部にかけて,また中南米で住宅の建築に使用されている。…

※「てる」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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