改訂新版 世界大百科事典 「バンマツリ」の意味・わかりやすい解説
バンマツリ
manaca raintree
Brunfelsia hopeana Benth.
ナス科の常緑低木。多く枝分れした頂部に,筒状漏斗形で先は平開し5片に分かれた淡紫青色の花をつける。花は日を経るに従い色があせて白色に変わり美しいので,庭木や鉢物に使われる。バンマツリの名は西洋のマツリカを意味する。バンソケイともいう。原産地は熱帯アメリカ。葉は披針状長楕円形で,葉の表面は暗緑色をなし,裏面は色は淡く,肉質は薄い。長さ2.5~4cmで,対生してつく。花はやや小さいが多数つき,単生または双生する。マナキンmanacineなどのアルカロイドを含み猛毒植物であるが,リウマチの薬にされる。近縁種のニオイバンマツリB.latiforia Benth.は,葉が楕円形で長さ5~10cm,裏面にわずかに軟毛がある。花は径4cmくらいで,花筒部の長さは3.5cmくらい。開花時はすみれ色であるが後に白色に変わる。芳香が強い。花の大きいオオバンマツリB.calycina Benth.やアメリカバンマツリB.americana L.(英名lady-of-the-night)なども観賞用に栽植される。繁殖は挿木による。暖地では戸外で越冬する。
執筆者:古里 和夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報