バージャー(その他表記)Bhājā

改訂新版 世界大百科事典 「バージャー」の意味・わかりやすい解説

バージャー
Bhājā

インド西部,マハーラーシュトラ州プネーの西約55kmにある仏教石窟寺院で,近くにはカールレーやベードサーの石窟もある。前2~後2世紀の22の石窟のうち,第12祠堂窟と第19僧院窟とは西部インド最古の石窟と考えられている。第12窟の列柱は柱頭も柱基もない簡素な形式で内に傾き,ボールト天井には木製垂木をつけていて,木造建築を忠実に模したことがわかる。また5~6世紀の壁画痕跡もある。規模が小さく形も整わない第19窟には,正面廊右壁に騎象の人物と4頭立ての馬車に乗る人物(インドラおよび太陽神スーリヤとされる)との雄渾浮彫があり,正面廊後壁と広間左壁との5体の武人像も興味深い。また第19窟に至る途中に高僧のものと思われる14基の小ストゥーパが密集している。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android