パリ・クラブ(読み)パリクラブ

百科事典マイペディア 「パリ・クラブ」の意味・わかりやすい解説

パリ・クラブ

日本や米国など主要国による債権国会議のこと。フランスのパリで会議が開催されることからパリ・クラブと呼ばれる。1956年,資金繰りが苦しくなった国が公的債務(政府債務および政府保証付債務)の繰延べや削減をフランス大蔵省に要請したのが始まり。議長はフランス大蔵省国庫局次長が務める。IMF(国際通貨基金)やBIS(国際決済銀行)と連絡をとりつつ,特定の債務国と多数の債権国によって公的債務の返済,繰延べ,削減の大枠が設定され,詳細はその後の2国間協定で確定する。 最近の活動をみると,1991年3月の会合各国ポーランドの公的債務を50%以上削減することが決定された。1995年にはカンボジアウガンダ,トーゴ,ギニア・ビサウチャドの5最貧国に対して同年中に返済期限がくる債務の67%を削減,支払いの繰延べも決定された。1996年には,ロシアが旧ソ連から引き継いだ対外公的債務約450億ドルの約9割に当たる400億ドル強について,返済期限を最長25年繰り延べることで合意。一方1997年9月には,旧ソ連および旧東欧諸国に債券をもつロシアも債権国としてパリ・クラブに加盟した。2005年現在,加盟国は19。

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