パロス島碑文(読み)パロスとうひぶん

改訂新版 世界大百科事典 「パロス島碑文」の意味・わかりやすい解説

パロス島碑文 (パロスとうひぶん)

ヘレニズム時代にキクラデス諸島中のパロスParos島に建てられた大理石板の年代記通称ラテン語Marmor Parium(〈パロスの大理石〉の意)。二つの断片として残るが,非常に貴重なもの。その一つは1627年スミュルナ(イズミル)からロンドンへ運ばれ,現在オックスフォード大学に保存されており,他の一つは1897年パロスで発見され,同島の博物館にある。アテナイ最初の王とされるケクロプスKekrops時代から筆者自身の時代(前264か前263)までの政治的・文化的諸事件を列挙し,年代は自身の時代からさかのぼって数えている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報