大理石(読み)ダイリセキ(その他表記)marble

翻訳|marble

デジタル大辞泉 「大理石」の意味・読み・例文・類語

だいり‐せき【大理石】

石灰岩変成作用を受けてできた粗粒の方解石からなる岩石。結晶質石灰岩。また、美しい石灰岩も総称し、建築・装飾用の石材として用いる。中国雲南省大理から産するものが有名であったところからの名。マーブル

なめ‐いし【大理石】

《なめらかな石の意》大理石だいりせきのこと。
「―はいよよ真白に」〈白秋・断章〉

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精選版 日本国語大辞典 「大理石」の意味・読み・例文・類語

だいり‐せき【大理石】

  1. 〘 名詞 〙 ( 中国雲南省大理県に産するものが有名であるところからいう ) 方解石を主成分とする結晶質の岩石。石灰岩が変成作用を受けて生じたもので、白色または淡青色。装飾用石材に用いる。広義には蛇紋(じゃもん)岩、輝緑凝灰岩などの非石灰質の緻密な岩石をもさす。マーブル。
    1. [初出の実例]「義布斯加爾基の用甚た浩し。水を和して物像を塑り、金銀の鋳型を挺し大理石を贋造し」(出典:舎密開宗(1837‐47)七)
    2. 「冬は斑入(ふいり)の大理石(ダイリセキ)を四角に組んで」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一二)
    3. [その他の文献]〔五雑俎‐地部・一〕

なめ‐いし【大理石】

  1. 〘 名詞 〙 ( なめらかな石の意 ) 大理石のこと。
    1. [初出の実例]「屋(いへ)はまた石もて造り、大理石(ナメイシ)の白き血潮は、ぎやまんの壺に盛られて」(出典:邪宗門(1909)〈北原白秋〉魔睡・邪宗門秘曲)

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改訂新版 世界大百科事典 「大理石」の意味・わかりやすい解説

大理石 (だいりせき)
marble

狭義には等粒状のよく再結晶した方解石やドロマイトからなる変成岩(岩石学では一般に結晶質石灰岩という)をさす。建築装飾用石材名としてはより広義に使われており,主として方解石からなる石灰岩をさすが,同種の色彩や模様をもつ岩石,たとえば蛇紋岩を含む石灰岩などをも含めていう。名称は中国雲南省大理府に産する美しい斑状の石灰岩に由来し,英語のマーブルは光のなかできらめく結晶石を意味するギリシア語marmaronに由来する。

 狭義の大理石は石灰質の岩石が主として熱変成作用を受け,その結晶粒が変成を受ける以前より大きくなったものであるが,やや変成度の高い緑色片岩相や角セン岩相程度の条件で変成された石灰岩であることが多い。石灰岩にはふつうSiO2,MgO,FeOAl2O3などの成分が少量含まれているので,変成作用を受けた大理石には炭酸塩鉱物のみではなく角セン石,ザクロ石,透セン石などのケイ酸塩鉱物も頻繁に含まれる。接触変成作用を受けた大理石ではスカルン型の鉄鉱床や鉱石も見られる。
執筆者:

変成を受ける以前の母岩が純粋の炭酸カルシウムからなる場合は方解石の結晶のみからなる白大理石が形成されるが,通常は少量の副成分として炭質物,酸化鉄,輝石,角セン石,緑泥石,粘土などが含まれるので,その種類や量に応じて,さまざまな色彩や模様の大理石となる。きめが細かく,磨けば美しい光沢が生じ,硬度が低くて比較的加工しやすいので,建築用装飾用石材,彫刻の材料として古くから利用されてきた。特にギリシア,ローマ以来の地中海文明の発達は,この地域に豊富に産した大理石の存在抜きには考えられないくらいである。

 もっとも有名な大理石は,イタリアカラーラ産の白大理石である。トスカナ州北西に位置するこの町の背後の峰々は,全山白大理石からなり,谷間から1000mをこえる高所までいたるところに採石場が連なっている。白地に青灰色の筋や点の入るカラーラの白大理石は,イタリア国内はむろんのこと,世界いたるところの建築の内外装に使われている。またこの石のなかで特に結晶の細かい純白の石は,彫刻用には最良で古来数多くの傑作が生まれた。カラーラ一帯には石材工場が集中し,石材加工業の世界の中心となっている。これと並ぶ高名な白大理石は,ギリシアのアテネ北東20kmのキフィシア産のものである。白地に淡灰色あるいは淡緑色の縞の入るこの大理石は,前5世紀にはパルテノン神殿に構造材として使われ,20世紀にはニューヨークや東京のビルの化粧材として使われている。このほかの白大理石の著名な産地は,アメリカのバーモント州ジョージア州ユーゴスラビアマケドニア,台湾花蓮県などである。日本の白大理石には〈霰(あられ)〉と呼ばれる山口県美弥市産のもの(秋吉大理石)や,〈寒水〉と呼ばれる茨城県常陸太田市産のもの(寒水石)があるが,いずれも今日では産額は言うに足りない。

 広義の大理石のなかで古来もっとも珍重されたのは,イタリア語でブレッチア,日本では更紗(さらさ)と呼ばれる網目模様のレキ岩状の大理石である。成因的には,石灰岩の変成の過程で母岩の不純物が網目模様を描くに至ったもの,地殻運動によって生じた岩石の割れ目を金属酸化物で帯色した石灰分が充てんしたものなどがある。柄のうえでは,日本に多い角礫をつなぎ合わせたような模様のものもあれば,イタリア産に多い白大理石の円礫が濃色の中に散って美しい色の対照を示すものもある。ヨーロッパの高名な教会の内陣や宮殿などには,この種の大理石が必ず使われている。ただし,その装飾性が機能本位の近代建築では敬遠され,かつ量的にもそろえることが難しいので,近年はあまり使用されない。

 それに代わって使用量が増えたのは,クリーム色系の均質で相対的に無表情な石である。なかでも淡い縞柄の石は,木造建築の木目の伝統をもつ日本では特に好まれている。クリーム色の縞柄のものはイタリア産をはじめ何種類かがあるが,このような縞は,これらの石が有機性,無機性の炭酸カルシウムの沈殿によって形成された石灰岩であることを物語っている。生物の遺骸である化石が発見されることも珍しくはない。縞状の石のなかでもっとも多く使われているのは,トラバーチンという平行な縞状の細孔をもつ石灰岩である。クリーム色のもの,それに褐色の縞の入ったもの,褐色,赤などさまざまな種類があるが,ローマ東郊のティボリ産のクリーム色のトラバーチンは,一石種としての産額はカラーラの白大理石よりもさらに多く,世界いたるところのビルに使用されている。結晶質でない石灰岩のなかで,オニックスは特にその美しさで有名である。化学的沈殿による縞状を呈する半透明な石灰岩で,産出はきわめて限られる。高価であるため工芸装飾品の材料に使われ,建築に使われることはまれである。蛇紋岩もまた広義の大理石に含まれる。濃緑の地に方解石からなる白い筋が網目状に入り,磨けば美しい光沢が出る。主成分は硫酸マグネシウムで,炭酸カルシウムからなる大理石よりはかなり硬く,耐候性があって艶も消えにくい。
執筆者:

大理石は均質な硬度,彫刻・研磨の造作を加えるのに適した硬度,それに研磨によって滑らかさと光沢を発する表面などの特徴を有するため,先史時代から現代に至るまで造形芸術の素材として広く用いられてきた。特に,地中海域では多種の大理石が産出され,多方面に使用された。新石器時代の偶像に大理石を使用した例がアナトリアエーゲ海,ギリシア本土,イタリアなどから出土し,初期青銅器時代のキクラデス諸島の偶像は大理石の特質をよく表している。また,シュメールやエジプトにおいても,その文明成立時(前4千年紀末)から神像などの彫刻や工芸品にアラバスターや大理石を使用している。ミノスやミュケナイの美術は大型神像を製作する伝統がなかったため,大理石の使用は限定されていた。ギリシア美術は神人同型観によって多くの神像を輩出するが,すでに前7世紀から巨大神像の石材として大理石を用い,前6世紀のクーロスコレーの像に各地で産する大理石を用いている。パロス島,ナクソス島,それにペンテリコン山(アテネの北東18kmに位置)の大理石が特に優れており,彫刻だけでなく建築にも利用された。特に前5世紀後半のパルテノンは大理石の特質を生かした建築として有名である。前4世紀に入ると商業圏の拡大とともに大理石の交易も盛んとなり,ヘレニズム時代の王宮では壁面装飾のために各地で採れる色大理石を数種使用するようになる。ローマで大理石造りの建築が現れるのは前3世紀後半からであるが,広く使用されるようになるのはカラーラの大理石が発見された前1世紀後半になってからである。帝国経済の拡大は,北アフリカの大理石採石場を開発し,帝国各地に輸出された。このため色大理石を用いたアウグストゥスの広場(ローマ)のような公共建築が建造されるようになる。前3世紀から普及する舗床モザイクは,大理石のもつ種々の色と細工しやすい特質を利用した美術ジャンルであり,帝政期には一般住宅の床をも装飾するようになる。

 中世時代は採石場に近い土地では大理石の使用が認められるが,ギリシア・ローマ時代ほどには多用されなかった。しかし,ルネサンス時代に入ると古典古代の美術を典範とするためふたたび大理石が彫刻,建築装飾において重要となり,ルネサンス様式のヨーロッパ各国への普及に伴い大理石の使用が活発となった。このほか,ビザンティン教会堂,イスラム建築のモスクや廟墓などにも大理石が重要な装飾材料として用いられている。
執筆者:

日本における大理石の利用としては,薬師寺の仏壇や法隆寺の仏像の台座が最古といわれている。明治になって産地で細工物の製造がはじまり,また暖炉や棚など西洋風建築の室内装飾部分にも用いられるようになったが,本格的に建築用の大理石の加工が始まったのは大正に入ってからであって,大正末にはヨーロッパからの原石の輸入も開始された。特に第2次大戦後の復興とその後の経済成長によって大理石の需要が著しく増大し,そのほとんどを外国からの輸入に仰ぐようになった。現在でも山口県美祢市などで国産大理石が採石されてはいるが,その需要に比すれば皆無といって差し支えない程度の量にすぎない。高名な産地であった岐阜県大垣市赤坂では,今ではまったく産しない。原石の輸入先はイタリア,ポルトガル,ギリシア,フィリピン,台湾,アメリカなどであるが,イタリアだけでその60%を占めている。

 現代のビル建築では,玄関ロビーやエレベーターホールなど,重要な部分の壁面や床などを全面的に大理石張りとするのが,もっともふつうな使用法である。大理石をビルの外装に張るのはヨーロッパやアメリカではさして珍しいことではないが,日本ではより耐候性のある御影石を用い,大理石はまず使用しない。このような石張りには,ふつう2cm厚かまたはそれよりやや厚い板材が用いられる。壁面を大理石張りにするときには,日本では模様合せといって,一つの原石から切断した板をその順序に並べて柄を合わせ,全体として連続模様を作るように展開した張り方をするのが通例である。縞柄の大理石ならばその縞が出るように原石を柾目(まさめ)に切断し,縞目を正確に合わせて石を並べる。ヨーロッパやアメリカでもこのような展開方法を行いはするが,石の模様には構わず無造作に並べただけの壁面のほうがむしろ一般的である。これは,ヨーロッパ古来の組積工法の石造建築では石の模様など合わせようもなかったことの反映であるが,このような石造建築の伝統を欠く日本が,洋風建築の技法として石張りを学んだ際に,日本特有の木目合せの繊細な感覚を石にまで持ちこんで,西欧では例外であった模様合せを日本では原則に変えてしまったのであろう。
執筆者:

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大理石」の意味・わかりやすい解説

大理石
だいりせき
marble

石灰岩が熱変成作用を受けて再結晶し、粗粒な方解石や苦灰石(ドロマイト)の結晶の集合体となった岩石。岩石学的には結晶質石灰岩である。装飾用の建築石材として広義に用いる場合には、石灰岩の総称である。石灰岩が純粋な炭酸カルシウムからなる場合には、熱変成を受けても粗粒な方解石からなる白色の大理石であるが、普通はそれ以外の種々の成分が少量含まれているので、熱変成の結果いろいろな鉱物が生じていることが多い。たとえば、もとの岩石が苦灰岩であれば、苦灰石から方解石とブルース石ができて、両者からなる岩石ができる。石灰質成分に加えてシリカ(二酸化ケイ素)成分が含まれていると珪灰(けいかい)石ができ、これにマグネシウム成分が含まれていると、透輝石ができることが多い。さらにマグネシウム成分に富んでいる場合には、苦土橄欖(かんらん)石や透輝石のほかにヒューム石などができる。また、石灰質泥岩や泥質石灰岩のような石灰岩と泥岩の中間的組成の岩石が熱変成作用を受けると、珪灰石、透輝石、緑簾(りょくれん)石、石灰ざくろ石、ベスブ石、スカポライト(柱石(ちゅうせき))など、カルシウムで特徴づけられる珪酸塩鉱物ができる。このような鉱物の集合体である岩石はスカルンとよばれ、石灰岩が熱変成作用を受けたときにできる特徴的なものである。

 装飾用建材あるいは彫刻用材料などに用いられる石灰岩は、再結晶する・しないにかかわらず大理石とよばれる。大理石は色や模様がいろいろで、きめが細かく、研磨すると美しい光沢をもつという性質があり、硬度も低く加工して利用しやすい。石灰岩ではないが、暗緑色の地に白色の方解石の脈が網目状に発達した蛇紋岩(蛇灰岩)も大理石とよばれることがある。大理石という名称は、中国雲南省大理府の地名に由来する。大理石の利用の歴史は古く、西洋においては古代エジプト以来、彫刻や工芸品あるいは建造物に使用されている。とくに有名なものはイタリアのトスカナ州カッラーラ産の白大理石で、建築用石材として世界中で利用されてきた。そのなかで均質細粒のものは彫刻用にとくに優れており、数多くの神像が制作された。日本の白大理石としては、白雲(はくうん)(岩手県)、寒水(かんすい)(茨城県)、霞(かすみ)(山口県)などがあるが、いずれも産出量は少ない。大理石の色は灰色から黒色、黄褐色、桃紅色、ときには青色など多彩で、模様も多様である。角礫(かくれき)岩あるいは礫岩状の石灰岩は、その網目状の斑(まだら)模様から更紗(さらさ)とよばれている。平行な縞(しま)模様が発達し、淡褐色・多孔質のものはトラバーチンとよばれ、装飾用建材として多量に使用されている。淡黄緑色の地に木目模様のある半透明の石灰質沈殿物は、オニクスの名で有名であるが、産出量が限られるため高価で、もっぱら工芸品に利用されている。近代建築の発展に伴い日本では大理石の需要が増大し、イタリア、ギリシア、ポルトガル、台湾などから輸入されている。

[斎藤靖二]

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百科事典マイペディア 「大理石」の意味・わかりやすい解説

大理石【だいりせき】

結晶質(晶質)石灰岩とも。方解石の粒状集合体よりなる岩石。石灰岩から導かれた変成岩で,その再結晶によりできる。名称は中国雲南省の大理産の結晶質石灰岩にちなむ。装飾用石材として用いられる。結晶粒が小さいほど耐圧,耐伸などの力が強く,みがいた場合の光沢のもちがよい。世界的産地はイタリアのカラーラ,ギリシアのキフィシア,米国のバーモント,ジョージア両州などが有名。なお石材名としての大理石には結晶質石灰岩のほか非結晶質石灰岩,トラバーチン,蛇紋岩なども含まれる。
→関連項目アラバスター石材石灰岩

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岩石学辞典 「大理石」の解説

大理石

大理石は主として方解石の粒状集合体からなる岩石で,石灰岩が変成作用によって再結晶し,粒状の結晶質となったもの.セオフラスタスは大理石を焼くと石灰に変わる石としたが[Theophrastus : 320 BC],後にプリニウスは拡張して高度に研磨できるすべての石を大理石とした[Pliny : 77].地質学では石灰岩の変成作用で作られた粒状の結晶質岩石として使用されている.一般に石灰質の岩石ばかりでなく,火成岩でも堆積岩でも均質の硬度があり,研磨して装飾用石材として使われる岩石をすべて大理石ということがある[渡辺編 : 1935].大理石の接頭語に鉱物名を付けてこれらの鉱物の存在を示すために使われる[Joplin : 1935].ギリシャ語のmarmareosはきらきら光るの意味.中国雲南省大理府に産するものが古くから有名で,この岩石の総称となった.marbleを大理石としたのは宮里である[宮里 : 1875,歌代ほか : 1978].

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化学辞典 第2版 「大理石」の解説

大理石
ダイリセキ
marble

商品的価値のある石灰質岩石.粒状結晶質石灰岩,あるいはほとんど方解石からなる岩塊として産出する.利用されるものには,石灰岩,しょう乳石,トラバーチン,蛇紋岩などがある.トラバーチンは固結したサンゴ礁,石灰質温泉沈殿物をいう.人造大理石は,着色の悪い大理石を砕き,白色セメントで固めたもの.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大理石」の意味・わかりやすい解説

大理石
だいりせき
marble

石灰岩などが変成作用を受け,その中の方解石が再結晶してできた岩石で,結晶質石灰岩ともいう。斑紋が美しく,磨いて彫刻や建築用石材に用いられる。のみや刃物で比較的簡単に削れる硬さのため,古来から好んで用いられた。大理石の名は中国の産地,雲南省大理市に由来する。世界的な大理石の産地はイタリアで,日本では岐阜県大垣市赤坂,山口県美祢市などが産地として知られている。

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リフォーム用語集 「大理石」の解説

大理石

石灰岩の変成岩。多様な色調・模様がみられ、本磨きにした場合は美しい色調となる。緻密で強度が大きく吸水性は小さいが、耐酸・耐火性に乏しい。内壁や床などに用いられることが多い。

出典 リフォーム ホームプロリフォーム用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内の大理石の言及

【蛇紋岩】より

…濃緑の蛇紋石の地に,方解石から成る白い不規則な網目模様が入り,磨けば非常に美しい。石材業界では,このような火成岩起源のものも緑色の“大理石”として扱っている。石材としての蛇紋岩の産地にはイタリア北西端のアオスタ州,エーゲ海のティノス島,アメリカのバーモント州などがあり,装飾用として特に珍重された。…

【石材】より

… 建築への利用では,洋風建築の導入期には石造はもとより,木造あるいは煉瓦造の一部に使う場合でも,石材は採石場で割られた割材に仕上げを施したものであって,重量も大きかった。したがって運搬手段が未発達であった当時としては,建築現場に近い採石場の材料に頼らざるをえず,御影石,大理石以外の材料も,むしろそのほうが軟質で加工しやすいので盛んに用いられた。大正から昭和にかけて鉄筋コンクリート建築が普及し,他方では石材加工の技術が進み原石を板に挽(ひ)くことが可能になると,利用される石材の形が,割材から単なる化粧目的の板材へ移り変わった。…

【石造建築】より

…建築用石材として用いられる石は,主として石灰岩,砂岩,凝灰岩,花コウ岩で,まれに安山岩なども用いられる。大理石は,とくに上質で緻密・美麗な各種の熱変成をうけた石灰岩の呼称であり,古来最高の建築用石材とみなされた。〈大理石および石〉というように,他の石材から区別されて,別格扱いされてきている。…

※「大理石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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