日本大百科全書(ニッポニカ) 「イズミル」の意味・わかりやすい解説
イズミル
いずみる
zmir
トルコの小アジア半島西部、エーゲ海のイズミル湾に臨む港湾都市。イズミル県の県都。人口223万2265(2000)。イスタンブール、アンカラに次ぐトルコ第三の都市であり、古代ギリシア名はスミルナSmyrna。三方を山地で囲まれて深く湾入した天然の良港に恵まれ、道路、鉄道の発達によって広い後背地とも結び付き、トルコの重要な貿易都市として市街は活況を呈する。綿織、皮革、ビール、オリーブ油、染料、たばこなどの工業も発達する。毎年8~9月には国際見本市が開かれる。古来、地震による被害が大きく、史跡には恵まれない。考古博物館がある。近年の人口急増を象徴するかのように、丘陵上にはゲジェコンドゥ(一夜(いちや)建て)とよばれる急造住宅がひしめいている。
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