パンコムギ(その他表記)common wheat
Triticum aestivum L.

改訂新版 世界大百科事典 「パンコムギ」の意味・わかりやすい解説

パンコムギ
common wheat
Triticum aestivum L.

イネ科の越年生作物で,世界の人口の約1/2の主食とされる。コムギ属にはいくつかの栽培植物があるが,パンコムギの粉はパン用に最も適するため,現在世界のコムギの栽培面積の約9割はパンコムギが占める。野生系統はなく,コムギの栽培過程で雑種から育成された種である。栽培の仕方から秋まきコムギと春まきコムギに大別され,多くの品種が分化している。日本で栽培されるコムギはすべてパンコムギである。
コムギ
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のパンコムギの言及

【コムギ(小麦)】より

…【中島 常雄】。。…

【交配】より

…タバコの栽培種と野生種,ハクサイとキャベツ,ヨーロッパウシとインドウシ,イノシシとブタなどたくさんの交配成功例がある。属間でも,パンコムギはコムギ属とエギロプス属の自然交配によって生じたといわれ,最近では,コムギとライムギの人工交配によるライコムギが作られた。ライコムギは人類最初の人工属間交配穀物種として有名である。…

【コムギ(小麦)】より

…最も広範な地域で栽培されて最大の生産量をあげ,イネ,トウモロコシとともに世界三大穀物の一つで,人類の主食をまかなう重要な作物。長い農耕の歴史の中でしだいに生産性の高い品種にかわってきたが,現在栽培されているのは大部分がパンコムギT.aestivumL.(英名common wheat,フツウコムギともいう)(イラスト)である。
[種と分布]
 コムギは一粒系コムギ(二倍種,染色体数2n=14,ゲノムA),二粒系コムギ(四倍種,2n=28,ゲノムAB),チモフェービ系コムギ(四倍種,2n=28,ゲノムAG)および普通系コムギ(六倍種,2n=42,ゲノムABD)の4群からなる。…

※「パンコムギ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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