ピックウィック症候群(読み)ぴっくうぃっくしょうこうぐん

家庭医学館 「ピックウィック症候群」の解説

ぴっくうぃっくしょうこうぐん【ピックウィック症候群】

 ピックウィック症候群は、高度の肥満昼間の居眠り、夜間呼吸中断が基本的な症状です。睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)(「睡眠時無呼吸症候群」)の代表ともいえ、強いいびきをかきます。
 原因の大部分は、太ることによって上気道(じょうきどう)が狭くなり、肺に出入りする空気の量が少なくなることです。長期間続くと、筋肉のけいれん、全身の皮膚のチアノーゼ、多血症(たけつしょう)(「多血症(赤血球増多症)」)、右心肥大(うしんひだい)や心不全(しんふぜん)がみられるようになります。
 この病名は、患者さんのすぐに居眠りをする状態が、ディケンズ小説「ピックウィッククラブ」に出てくる、太っていて、いつもうとうとし、赤みをおびた顔をしているジョーという少年によく似ていることに由来します。

出典 小学館家庭医学館について 情報

六訂版 家庭医学大全科 「ピックウィック症候群」の解説

ピックウィック症候群
(呼吸器の病気)

 ピックウィック症候群は、1956年に初めて報告された症候群です。

 英国の作家チャールズ・ディケンズの小説『ピックウィッククラブ』のなかで、高度の肥満があって昼間からうとうとし、睡眠中は激しいいびきをかく少年が描かれたことから命名されました。

 現在では重症の睡眠時無呼吸症候群と考えられています。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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