ピリドン(その他表記)pyridone

デジタル大辞泉 「ピリドン」の意味・読み・例文・類語

ピリドン(pyridone)

ヒドロキシピリジン

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改訂新版 世界大百科事典 「ピリドン」の意味・わかりやすい解説

ピリドン
pyridone

ヒドロキシピリジン別名。2-および4-ヒドロキシピリジンは水酸基-OHをもつエノール形とカルボニル基C=Oをもつケト形互変異性平衡にあるが,平衡は一方的にケト形に片寄っている。ケト形構造のものをピリドンといい,カルボニル基の位置に応じてα-またはγ-ピリドン(2-または4-ピリドン)とよばれる。3-ヒドロキシピリジンにはピリドン構造はなく,エノール形のみで存在する。

α-ピリドンはピリジン水酸化カリウムと高温で加熱すると得られる針状結晶。融点107℃,沸点280~281℃。水や多くの有機溶媒に可溶。塩化鉄(Ⅲ)溶液で赤色を呈する。γ-ピリドンはγ-ピロンアンモニアを130℃に加熱すれば得られる針状または柱状結晶。水,エチルアルコールに可溶だが,ベンゼン,ジエチルエーテルに不溶。塩化鉄(Ⅲ)で黄色を呈する。
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化学辞典 第2版 「ピリドン」の解説

ピリドン
ピリドン
pyridone

(1H)-pyridinone.C5H5NO(95.10).ヒドロキシピリジンともいう.ヒドロキシ基の位置により,α-ピリドンとγ-ピリドンの2種類がある.

】α-ピリドン:ピリジンを水酸化カリウムと加熱すると得られる.針状晶.融点106~107 ℃,沸点280~281 ℃.2-ヒドロキシピリジンとの平衡は2-ピリドンのほうに偏っている.ペプチド合成用の活性エステル合成試薬である.【】γ-ピリドン:4-アミノ-あるいは4-ハロゲノ-ピリジンから誘導する.融点66~68 ℃.無水物は融点148.5 ℃,沸点257~260 ℃(1.3 kPa).ニコチンアミドの尿中代謝産物の一つでもある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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