日本大百科全書(ニッポニカ) 「フトゲツツガムシ」の意味・わかりやすい解説
フトゲツツガムシ
ふとげつつがむし / 太毛恙虫
[学] Leptotrombidium pallidum
節足動物門クモ形綱ダニ目ツツガムシ科に属する陸上小動物。北は北海道から南は鹿児島まで広く分布し、平野部、山林部のいずれにもみられる。成虫は1ミリメートルぐらいで体は桃色。幼虫は淡橙(たんとう)色から淡赤色まで変異がある。体の背面に生ずる毛が太くて粗い特徴から和名がつけられた。秋から春まで比較的長期に出現する。新潟、山形、福島、秋田の四県に発生するアカツツガムシ媒介のつつが虫病に対し、アカツツガムシ以外のツツガムシによって媒介される(非アカツツガムシ媒介性)つつが虫病の、もっとも有力な媒介種として注目されている。とくに最近、全国各地で春・秋・冬に発生するつつが虫病媒介の主役をなしている種といわれる。
[鈴木 博]