フーシェ計画(読み)フーシェけいかく(英語表記)Fouchet Plan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フーシェ計画」の意味・わかりやすい解説

フーシェ計画
フーシェけいかく
Fouchet Plan

ヨーロッパ経済共同体 EECの政治統合に関する特別委員会 (委員長 C.フーシェ) の草案。 1961年7月ボンで開かれた EEC首脳会議で,政治同盟についての条約案を起草する特別委員会が設置され,61年 11月第1回草案 (フーシェ計画I案) が発表された。それによると政治同盟は共同の外交政策と防衛政策をつくるため,最高の決定機関として加盟国の元首または首相,場合によっては外相から成る理事会を設け,その補佐機関として各国閣僚から成るヨーロッパ政治委員会を設置するというものであった。この草案にはフランス以外の5ヵ国が,超国家性に欠けており,他の共同体と同様,加盟国政府から独立した政治委員会が中心であるべきだとして強く反対した。 62年1月フーシェ委員会は第2回草案 (フーシェ計画 II案) を発表したが,これはI案よりさらに超国家性が弱まり,フランスの C.ドゴール大統領の国家主義が貫かれたもので,II案を最後に政治統合に関する具体的な論議はあまり行われなくなった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android