論議(読み)ロンギ

デジタル大辞泉 「論議」の意味・読み・例文・類語

ろん‐ぎ【論議/論義】

[名](スル)
互いに意見を述べて理非を論じ合うこと。「論議を尽くす」「論議を呼ぶ」「健康法について論議する」
仏語。
教義を明らかにするために問答すること。また、それが形式化された儀式法会のほか、法楽などのためにも行われる。
十二分経の一。教義の解説や注釈をした書。優婆提舎うばだいしゃ
声明しょうみょう一種2が形式化され、一定の唱え方が定められたもの。
(ふつう「ロンギ」と書く)能で、地謡じうたいもしくはワキツレシテが問答形式で交互に謡い合う部分。また、その謡。
[類語]論ずる議論言論公論論弁論判談義あげつらう丁丁発止侃侃諤諤囂囂喧喧囂囂喧喧諤諤舌戦口論論戦論争争論激論談論風発甲論乙駁口角泡を飛ばす

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「論議」の意味・読み・例文・類語

ろん‐ぎ【論議・論義】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 論じはかること。問答によって理非を明らかにすること。意見を述べ、論じ合うこと。また、その論。議論。
    1. [初出の実例]「明経博士等奉内殿論義常」(出典:日本三代実録‐貞観三年(861)八月七日)
    2. 「Discuss 論議スル」(出典:数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〈藤沢利喜太郎〉)
    3. [その他の文献]〔史記‐平原君伝〕
  3. ( ━する ) 仏語。
    1. (イ) 経論の要義を問答すること。しばしば法会の行事として行なわれ、次第に儀式化された。
      1. [初出の実例]「最勝王経講畢、延高学僧十一人於殿上論義」(出典:日本後紀‐弘仁四年(813)正月戊辰)
      2. 「僧綱達、名ある智者どもなど召して、ろむぎなどせさせ給ふ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)
    2. (ロ) 十二分経の一つ。優婆提舎(うばだいしゃ)のこと。
      1. [初出の実例]「十二分教〈略〉十二者優婆提舎 此云論議」(出典:正法眼蔵(1231‐53)仏教)
  4. 声明(しょうみょう)の一種。(イ)が形式化されて一定の唱え方がそなわったもの。のもとになった。
    1. [初出の実例]「Antiphona〈略〉シャウミャウヲ ronguini(ロンギニ) ウタウ コトヲ ユウ」(出典:羅葡日辞書(1595))
  5. 能の構成部分の一つ。問答形式の部分で、地謡もしくはワキやツレとシテが掛け合いで謡う。中入前か終曲に位置するものが多い。
    1. [初出の実例]「老声若音の論議のてうしのこじつ、ずいぶん仕立候也」(出典:習道書(1430))

論議の語誌

( について ) 梵語 upadeśa (ウパデーシャ)すなわち「優婆提舎」の漢訳語。

  1. (イ) では、論題を定める役を「探題」、試問に当たるものを「問者」、これに答えて教義を論ずる者を「竪者(立者)」という。論議の方法から、一対一で行なうものを「番(つがい)論議」と呼び、論議を行なう場所から、宮中で行なう「内論議」、仙洞で行なう「仙洞論議」、法会から「報恩講論議」などと呼んでいる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「論議」の読み・字形・画数・意味

【論議】ろんぎ

議論。〔荘子篋〕天下法を殫(つく)し殘(そこな)ひて、民始めて與(とも)に論議すべし。

字通「論」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

百科事典マイペディア 「論議」の意味・わかりやすい解説

論議【ろんぎ】

論義

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android