ブキャナン(George Buchanan、人文学者、カルバン主義者)(読み)ぶきゃなん(英語表記)George Buchanan

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ブキャナン(George Buchanan、人文学者、カルバン主義者)
ぶきゃなん
George Buchanan
(1506―1582)

スコットランドの人文学者、カルバン主義(長老主義)者。セント・アンドリューズ大学総長も務める。フランスのボルドー亡命中の教え子モンテーニュがいる。主著『スコットランド人における王権について』(1579)は、その内容があまりにも危険であるとして王政復古期の1683年にオックスフォード大学焚書(ふんしょ)にされている。この本の中で彼は、国王は誤りやすいので法によってコントロールされなければならないこと、国王の教師は神によって自然法を植え付けられた人民であり、その意志は法の背後にあること、したがって国王は法を正しく行うという約束に義務づけられており、もしもこの契約を破れば、彼に対する臣下の義務は解消されるとして、民衆的反乱と暴君殺しの正当性を主張している。

田中 浩]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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