ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説 軸受材料にプラスチックを用いたすべり軸受をいう。軽量で腐食されにくく,軸とのなじみがよいうえに,静かに運転できる利点をもつが,一般に機械的強度,耐熱性,放熱性に欠け,熱膨張,変形,膨潤などが大きい。したがって,特殊なものを除けば,主として低速,低荷重の小型機器に用いられる。材料にはフェノール樹脂,ポリアミド樹脂,フッ素樹脂,その他の樹脂が使用される。フェノール樹脂製は,水潤滑のときに摩擦係数が小さいので,圧延機の軸受 (ロールネック) やポンプなどの軸受に使用される。ポリアミド樹脂製は自己潤滑性があり,潤滑剤のないほうが摩擦係数が小さい。金属に薄く貼合せて,潤滑剤が嫌われるところに利用される。フッ素樹脂製は耐熱性にすぐれているが,耐摩耗性に欠けるので,金属粉末,ガラス,二硫化モリブデンなどを充填したものが多く用いられる。なお,テフロン膜と金属との接着性がよくないので,多孔質材に含浸させたテフロン含浸軸受がある。 250℃程度まで無潤滑軸受として使用される。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報