すべり軸受(読み)すべりじくうけ(英語表記)sliding bearing

百科事典マイペディア 「すべり軸受」の意味・わかりやすい解説

すべり軸受【すべりじくうけ】

軸と軸受とが潤滑油などの薄い膜を介して相対的にすべる軸受の総称。軸に直角にかかる荷重を支えるラジアルすべり軸受(ふつうジャーナル軸受と呼ぶ)と,軸に平行で軸受面に直角の力を受けるスラストすべり軸受とに分けられ,それぞれに動圧型と静圧型がある。動圧型は軸の回転につれて潤滑油膜に自然に圧力が生じ荷重を支えるもの,静圧型は外部から高圧で供給される油の圧力で荷重を支えるものである。最も多く使われるのは動圧型ジャーナル軸受で,軸と軸受間のすきまは軸受半径の1/1000程度であるが,回転中の軸は少し偏心した位置にあるため,すきまは一様でなく,油はすきまの大きい所から小さい所へ引き込まれ,これによって潤滑油内に圧力が生じる。→ころがり軸受
→関連項目空気軸受軸受軸受合金ジャーナル

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「すべり軸受」の意味・わかりやすい解説

すべり軸受
すべりじくうけ
sliding bearing

軸と軸受が相対的に滑り運動をする軸受をいい,一般には両者の間に流体の潤滑膜を形成させ,その膜によって摩擦抵抗を減少させて荷重を支持する。潤滑膜を形成させる原理から,滑り運動によって自動的に潤滑膜が生じ,その膜圧力によって軸を浮かして支持する動圧軸受と,外部からの流体圧力を用いて膜を形成する静圧軸受とに大別される。また,それぞれに軸直径方向の荷重を支えるジャーナル軸受と,軸方向の荷重を受けるスラスト軸受とがある。固体潤滑剤を用いるものもこれに含まれる。軸受材料には,ホワイトメタルと総称されるスズ-鉛系の合金ケルメットに代表される銅合金をはじめとして,アルミニウム合金亜鉛合金,カドミウム合金などがあり,用途に応じて使い分けられる。そのほか,含油軸受に用いられる鋳鉄や焼結合金類 (→軸受合金 ) ,ならびに各種のプラスチックが使われる。

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改訂新版 世界大百科事典 「すべり軸受」の意味・わかりやすい解説

すべり軸受 (すべりじくうけ)

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世界大百科事典(旧版)内のすべり軸受の言及

【軸受】より

…摩耗が大きければ当然軸受の寿命が短くなる。 軸受にはその動作原理により,すべり軸受ところがり軸受の区別がある。また受けるべき荷重の方向により,回転軸に垂直方向の荷重を受けるラジアル軸受(すべり軸受の場合にはジャーナル軸受ということが多い),回転軸方向の荷重を受けるスラスト軸受の区別がある。…

※「すべり軸受」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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