プロカインアミド(その他表記)procaine amide

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プロカインアミド」の意味・わかりやすい解説

プロカインアミド
procaine amide

プロカインエステル結合アミド結合に変えた化合物。不整脈治療剤である。作用はプロカインに類似しているが,中枢神経に対しては弱く,心臓に対して強いという利点がある。循環器作用は,心筋の収縮力をほとんど抑制しないこと以外はキニジンとほぼ同じで,心筋興奮性,刺激伝導の抑制,心房不応期延長を示す。大量投与で房室ブロック,心室期外収縮,心室細動を招く。消化管吸収がよく,アミド結合なので血漿中のエステラーゼで分解されにくく,作用が長く持続する。毒性はプロカインよりも低い。副作用は食欲不振,吐き気,嘔吐抑うつめまいなどのほか,プロカインと同様の過敏反応を示すことがある。静脈注射で血圧下降,ショック,心室細動を招くこともある。

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世界大百科事典(旧版)内のプロカインアミドの言及

【心臓薬】より

強心薬
[抗不整脈薬]
 心臓拍動の乱れが不整脈で,これを治療する薬物をいう。代表的なものはキニジンとプロカインアミドである。キニジンは,マラリア治療薬キニーネ投与時に不整脈が改善されることから見いだされたもので,キニーネの光学異性体である。…

※「プロカインアミド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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