化学辞典 第2版 「ヘミアセタール」の解説
ヘミアセタール
ヘミアセタール
hemiacetal
アルデヒドのカルボニル基に1分子のアルコールが付加した構造をもつ化合物の総称.形式上分子が半分アセタール化された形であるのでこの名称がある(hemiはギリシア語で“半分”の意味).ケトンとアルコールとの同様な付加物(ヘミケタール)もこれに含まれる.一般に,きわめて不安定であり,単離されにくいが,アルドースやケトースのように,同一分子内にカルボニル基とヒドロキシ基とをもっている場合には,六員環状もしくは五員環状の安定なヘミアセタールを形成する.とくに前者(ピラノース)のほうが後者(フラノース)よりも安定である.この場合,カルボニル基の炭素原子は一般に不斉となるので,一対の異性体(アノマーという)が生成する.ヘミアセタールを形成して新しくできたヒドロキシ基をヘミアセタール性ヒドロキシ基という.[別用語参照]変旋光
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報