日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケトース」の意味・わかりやすい解説
ケトース
けとーす
ketose
ケトン基をもつ単糖の総称。単糖としての諸性質のうち、アルドースと異なる点は酸化のされ方で、次亜ヨウ素酸塩では酸化されないが、強く酸化するとケトン基のところで切れて2個のカルボン酸を生ずる。天然に存在するケトースで代表的なものに、ケトヘキソースの一つであるD-フルクトース(果糖)があり、ケトペントースとしてはキシルロースがある。動物体内ではともに代謝中間体として存在し、代謝異常によりフルクトース尿症(酵素である肝フルクトキナーゼの欠損による)やペントース尿症(L-キシルロースレダクターゼの欠損による)などが現れる。
[飯島道子]
『R・K・マレー他著、上代淑人・清水孝雄監訳『ハーパー生化学』原書28版(2011・丸善)』