変旋光(読み)へんせんこう(英語表記)mutarotation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

変旋光
へんせんこう
mutarotation

溶液の旋光度が時間とともに変化する現象。 1846年 A. P.ドゥブルンファウトが D- グルコース水溶液について見出した。たとえば α- ピラノース形の D- グルコース ( [α]=+111.2° ) の水溶液を放置すると,時間とともに旋光度が減少して,ついに一定値 ( [α]=+52.3° ) に達する。逆に β- ピラノース形の D- グルコース ( [α]=+18.7° ) の水溶液を放置すると,これも旋光度が時間とともに一定値 ( [α]=+52.3° ) に達して止る。これは溶液中で各異性体が互変異性化を起すことによるもので,最終の一定値は,D- グルコースのα体 34%,β体 66%から成る平衡混合物の旋光度に相当する。

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栄養・生化学辞典の解説

変旋光

 旋光性のある物質,たとえばグルコースを水に溶かすと,溶かしてすぐの状態から徐々に旋光度は変化して最終的に一定の旋光度になる.このような変化.

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大辞林 第三版の解説

へんせんこう【変旋光】

旋光性の物質の溶液で、その旋光性の大きさが時間とともに変わる現象。主に糖で見られる。

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化学辞典 第2版の解説

変旋光
ヘンセンコウ
mutarotation

旋光性物質の溶液の旋光度が経時的にかわる現象.糖類やオキシ酸などの新しい溶液は,そのまま放置するか,煮沸したり,酸またはアルカリを加えると,時間とともに旋光度が変化し,やがて平衡に達する.この現象を変旋光という.旋光度が経時的に変化しても,その原因がラセミ化やそのほかの化学変化による場合は,変旋光とはいわない.変旋光は異性化が原因になっている.たとえば,D-グルコースのα-ピラノースの水溶液(+111.2°)を放置すると,時間とともに旋光度が変化し,最終的に一定した旋光度(+52.3°)になる.この値は,D-グルコースのα形34%,β形66% の混合物による旋光度になっている.β-ピラノースの水溶液(+18.7°)を放置しても同じ結果になる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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