ポリープ切除術の一つ。ポリープを内視鏡下で切除する手術手技である内視鏡的ポリペクトミー(内視鏡的ポリープ切除術)を単にポリペクトミーとよぶこともある。おもに胃や大腸など消化管内腔(ないくう)にできた比較的小さなポリープが対象となるが、気管、泌尿器、婦人科臓器などの管腔(かんくう)内にできた病変に対しても行われる。内視鏡を挿入したあと、スネアとよばれる金属でできた輪をポリープの根元に引っかけて絞扼(こうやく)し、高周波電流を流して焼き切る方法(スネアリング)が一般的で、開腹など外科的手術に比べて身体への負担が少ないというメリットがある。
内視鏡の改良や用いるデバイスの進歩により、ポリペクトミーでは対応できない扁平(へんぺい)で広基底性の病変にも対応する内視鏡的粘膜切除術(EMR:endoscopic mucosal resection)、さらに、EMRでも対応できない広範囲の病変や切除困難部位にある病変も切除可能な内視鏡的粘膜下層剥離(はくり)術(ESD:endoscopic submucosal dissection)なども行われている。
[渡邊清高 2019年5月21日]
…手前側のみを採取して,癌陰性と診断すれば疑陰性となり,その罪はきわめて重い。最近では隆起性病変全体を根こそぎ取り去り(ポリペクトミーpolypectomyと呼ぶ),組織学的に丹念に検索する方法が行われている。このようにすると生検と同時に治療も完成するので,完全生検と呼ばれている。…
…大腸癌は腸壁を破ったのち隣接臓器に直接に浸潤し,さらに漿膜,腹膜への伝搬(癌性腹膜炎),リンパ節転移,さらに門脈を介して肝臓,肺,副腎,腎臓,膵臓,骨などへの血行転移がみられる。
[大腸癌の症状]
早期大腸癌は無症状で,たまたま注腸X線検査,内視鏡検査,生検,ポリペクトミー(ポリープ切除術)などで発見される。しだいに大きくなると,新鮮血の排出,粘血便,便秘や下痢,ときに便秘と下痢が交代にみられる便通異常,腹痛などを呈してくる。…
…手術で取りきれなかった胆石も内視鏡的に除去することができるが,胆石を破砕する試みはまだ実用化に至っていない。(3)ポリペクトミーpolypectomy ポリープすなわちキノコ状の粘膜のたかまりは,その根元にワイヤをかけて電気的に切断することで容易に除去できる。非常に大きなもの,とくに基部が太いもの以外はこれで治すことができ,ポリープ型の初期癌はこれで根治できる。…
※「ポリペクトミー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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