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出典 法研「EBM 正しい治療がわかる本」EBM 正しい治療がわかる本について 情報
大腸ポリープとは、大腸の粘膜の一部がいぼ状に盛り上がったもの(隆起)で、腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに大きく分けられます(表5)。
腫瘍性ポリープの大部分は良性で、
非腫瘍性ポリープには、ポイツ・イェガース型ポリープ、小児に多い若年性ポリープ、高齢者に多い
がんと同様、腺腫は生活習慣などの環境要因と遺伝要因が絡み合って起こると考えられています。
前者では食事が最も重要であり、高脂肪・低繊維食が危険因子とされています。すなわち、高脂肪食によって腸内の発がん物質が増加する一方で、低
小さなポリープは無症状のものがほとんどですが、ポリープが大きくなると血便が起こります。ポリープの大きさや存在部位によって、便に鮮血(赤い血液)が付着する場合と、肉眼的には異常を認めず、
血便を自覚した患者さん、あるいは無症状でも検診の目的で受けた便潜血テストが陽性の患者さんに対しては、大腸内視鏡検査または注腸造影X線検査が行われます。どちらの方法でも診断は可能ですが、最近は、ポリープ発見時ただちに組織検査(
ポリープの性状診断は、顕微鏡を使った病理組織学的検査で確定されます。最近では、鉗子生検診断を待つまでもなく、70倍の拡大機能をもつ内視鏡(拡大内視鏡検査)や、特定波長の光で観察する内視鏡(NBI内視鏡検査)によって、ポリープ表面の細かい模様を観察するだけで即座に性状診断が行えるようになってきました。
腫瘍性ポリープである腺腫は、前がん病変と考えられるので、内視鏡を使って切除します。
また、腺腫のなかでも、カーペット状の形態をした大きな無茎隆起は
近年、ポリープと形が異なり、平坦なあるいは、わずかに陥凹した腺腫(平坦・
非腫瘍性ポリープは通常がん化することはないので、積極的に切除する必要はありません。しかし、有茎性で大きなポリープは出血や腸重積を起こす可能性があるので、内視鏡的ポリペクトミーを行います。
血便に気づいたり、検診で便潜血テスト陽性を指摘されたら、できるだけ早く消化器内科を受診し、大腸の検査を受ける必要があります。
日常生活における注意点としては、高脂肪・低繊維食を避け、便通を整えるとともに適度な運動を心がけることが大切です。
飯田 三雄
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
大腸の粘膜上皮が増殖して内腔(ないくう)側に突出した病変。その形状は多様で、有茎性のものをはじめ、半球状や扁平(へんぺい)(扁平型)のものもあり、表面が滑らかなものや、表面は不正で血管拡張を伴うものなどもある。
病理組織学的には腺腫(せんしゅ)性や過誤腫性などに大別される。胃ポリープとは異なり大部分が腺腫で、その10~15%程度に局在がんがみられ、家族性大腸腺腫症では成人の場合約80%で肉眼的にもがん化がみられる。多くは無症状で、大腸X線検査や下部消化管内視鏡検査によって診断されるが、質的な診断には生検や切除が必要となる。
大腸ポリープに対する治療は、腺腫であることが否定できない場合や悪性が疑われる場合、径が大きな場合などで考慮される。内視鏡下で生検を行い、組織検査・診断の結果をみて経過観察をするか、ポリープ切除が行われる。ポリープ切除術(ポリペクトミー)は内視鏡下で行われ、切除された病変は病理診断にてがんの有無が評価される。がんでない場合であっても、異型度やポリープの径、切除断端の評価(採り切れているかどうか)、残存ポリープの有無などにより、経過観察や再検査などフォローアップの方針が検討される。
[渡邊清高 2019年8月20日]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…大腸癌の好発部位は大腸下部,ことに直腸であるので,血便や便秘は重要な徴候となる。大腸ポリープもよくみられるが,癌化する危険のあるものが多いので重要な病気である。副交感神経系の緊張亢進による過敏性大腸症候群がきわめて多いが,粘液性下痢,便秘,腹痛などがみられるものの,重大な病気ではない。…
※「大腸ポリープ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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