マイヤー(読み)まいやー(英語表記)Max Ernst Mayer

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マイヤー(Max Ernst Mayer)
まいやー
Max Ernst Mayer
(1875―1923)

ユダヤ系ドイツ人の刑法学者、法哲学者。新カント学派の哲学の影響を強く受け、刑法と法哲学にその方法論を応用した。法哲学の分野での主著は、1903年に発行された『法規範と文化規範』、1922年の『法哲学』であり、彼はここで、価値は一定の文化状態に依存するという価値相対主義を展開するとともに、法規Gesetzの制定によって国家的に承認された文化規範Kulturnormを法規範Rechtsnormとする規範論を主張した。この方法を刑法学に応用し、1919年に出版した『ドイツ刑法総則』では、ベーリングErnst Beling(1866―1932)によって創唱された構成要件論をさらに発展させた。マイヤーによれば、犯罪概念の出発点は無限定の混沌(こんとん)たる「できごと」であり、違法性の認識根拠である「法定構成要件」に該当することが明らかになって初めて、それは刑法学的に整序され、違法評価が可能になってくるとされる。この構成要件論は、小野清一郎、滝川幸辰(たきがわゆきとき)らを通じ、日本にも強い影響を及ぼした。[西原春夫]

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