刑罰法規に規定された個々の犯罪類型。厳密には犯罪構成要件、特別構成要件などとよばれる。たとえば、刑法第199条の「人を殺した者」、同法第235条の「他人の財物を窃取した者」などがこれにあたる。これらの規定は、それぞれ、殺人罪の構成要件、窃盗罪の構成要件という。犯罪が成立するためには、まず、ある行為がいずれかの構成要件に該当することを要するとともに、この構成要件に該当する行為が、違法で、かつ有責でなければならない。ただ、構成要件と違法や責任との関係については諸説がある。構成要件は、かつては違法や責任とは無関係なものと解されてきたが、今日では、違法の類型化されたものとする違法類型説、さらには、違法および責任の類型化されたものとする違法・有責類型説を採用する者が多い。
ところで、構成要件がどのような要素から成り立っているかについては、構成要件に関する考え方にもよるが、たとえば行為の主体、行為(実行行為)、結果、因果関係、行為の状況などの客観的要素のほか、故意・過失(構成要件的故意・過失)などの主観的要素をもその要素に加える者もある。いずれにせよ、構成要件は犯罪成立要件のうち、もっとも基本的なものであることには変わりはない。
[名和鐵郎]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…このように,反社会的行為のうち,何が〈犯罪〉とならないか,どのような行為が〈犯罪〉となるかは法によって決められる。 そして,刑法学においては,犯罪の一般的成立要件を検討するとき,〈犯罪〉を定義して,通常,〈構成要件に該当する違法で有責な行為である〉という。すなわち,犯罪は構成要件該当性,違法性,有責性という要素をそなえた行為であると理解するのである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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