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構成要件 こうせいようけんTatbestand

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

構成要件
こうせいようけん
Tatbestand

一般的には一定の法律効果を生ぜしめる要件を総称する。法律要件ともいわれる。たとえば「故意又ハ過失ニ因リテ他人ノ権利ヲ侵害」するという事実は,その行為者に「之ニ因リテ生シタル損害ヲ賠償スル」責任を負わせるという法律効果を生じさせる (民法 709) 構成要件である。しかし,重要な意味をもつのは犯罪行為の定型としてである。犯罪の構成要件は可罰的行為と不可罰的行為の境界を明白にするものであり,行為違法性,責任 (→刑事責任 ) とともに犯罪成立要件の一つである。 E.ベーリングによって,構成要件は犯罪論に導入され,犯罪論の進歩のうえで重要な役割を果した。それ以後,構成要件が違法性とどのような関係に立つか,構成要件要素には客観的要素のほかに主観的要素をも含むのかなどが問題とされてきた。日本ではこの犯罪構成要件理論は,特に小野清一郎によって紹介され,その後独自の理論的発展をとげている。

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デジタル大辞泉の解説

こうせい‐ようけん〔‐エウケン〕【構成要件】

刑罰法規に定められた個々の犯罪類型

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大辞林 第三版の解説

こうせいようけん【構成要件】

犯罪として処罰される行為の特徴を示した類型。犯罪定型。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

構成要件
こうせいようけん
Tatbestandドイツ語

刑罰法規に規定された個々の犯罪類型。厳密には犯罪構成要件、特別構成要件などとよばれる。たとえば、刑法第199条の「人を殺した者」、同法第235条の「他人の財物を窃取した者」などがこれにあたる。これらの規定は、それぞれ、殺人罪の構成要件、窃盗罪の構成要件という。犯罪が成立するためには、まず、ある行為がいずれかの構成要件に該当することを要するとともに、この構成要件に該当する行為が、違法で、かつ有責でなければならない。ただ、構成要件と違法や責任との関係については諸説がある。構成要件は、かつては違法や責任とは無関係なものと解されてきたが、今日では、違法の類型化されたものとする違法類型説、さらには、違法および責任の類型化されたものとする違法・有責類型説を採用する者が多い。
 ところで、構成要件がどのような要素から成り立っているかについては、構成要件に関する考え方にもよるが、たとえば行為の主体、行為(実行行為)、結果、因果関係、行為の状況などの客観的要素のほか、故意・過失(構成要件的故意・過失)などの主観的要素をもその要素に加える者もある。いずれにせよ、構成要件は犯罪成立要件のうち、もっとも基本的なものであることには変わりはない。[名和鐵郎]

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世界大百科事典内の構成要件の言及

【犯罪】より

…このように,反社会的行為のうち,何が〈犯罪〉とならないか,どのような行為が〈犯罪〉となるかは法によって決められる。 そして,刑法学においては,犯罪の一般的成立要件を検討するとき,〈犯罪〉を定義して,通常,〈構成要件に該当する違法で有責な行為である〉という。すなわち,犯罪は構成要件該当性,違法性,有責性という要素をそなえた行為であると理解するのである。…

※「構成要件」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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