マクドナルド(Philip MacDonald)(読み)まくどなるど(英語表記)Philip MacDonald

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マクドナルド(Philip MacDonald)
まくどなるど
Philip MacDonald
(1899/1900―1981)

イギリス生まれの推理作家。ファンタジー作家ジョージ・マクドナルドの孫にあたる。父ロナルドも作家で、オリバー・フレミング名義で父とスリラーを合作したのが、フィリップの作家デビューとなった。単独で発表した推理小説としては『(やすり)』(1924)が第一作。読者に対するフェアプレイを意識し、シリーズ探偵アントニイ・ゲスリン大佐が論理性豊かな謎(なぞ)解きを展開する。裁判記録のみをもとに真犯人を指摘する『迷路』(1931)はこの延長線上にある作品だが、並行して、死刑執行までに真相究明を試みたり、無差別連続殺人を扱ったりと、華やかなサスペンス仕立ての作品も多く、旺盛(おうせい)なサービス精神が創作活動を貫く特徴だった。1931年にハリウッドへ渡って、映画「ミスター・モト」シリーズやヒッチコック監督の『レベッカ』(1940)の脚本執筆に加わったほか、W・J・スチュアート名義でSF映画の古典『禁断の惑星』(1956)の小説化も手がけている。短編集『Something to Hide』(1952)と短編『夢見るなかれ』(1956)でアメリカ探偵作家クラブ最優秀短編賞を二度受賞。マーチン・ポーロック、アントニイ・ローレスなどの別名義がある。

[松浦正人]

『吉田誠一訳『鑢――名探偵ゲスリン登場』(創元推理文庫)』『マクドナルド著、好野理恵訳『Xに対する逮捕状』(1994・国書刊行会)』『マクドナルド著、真野明裕訳『エイドリアン・メッセンジャーのリスト』(創元推理文庫)』『田村義進訳『迷路』(2000・ハヤカワ・ミステリ)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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