フィリップ(英語表記)Philippe, Charles Louis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フィリップ
Philippe, Charles Louis

[生]1874.8.4. アリエ,セリイ
[没]1909.12.21. パリ
フランスの小説家。 20歳でパリに出て,区役所の一吏員として一生を過した。かたわらマラルメらにすすめられて詩を書いたが,やがて小説に向い,『ランクロ』誌の同人となった。庶民の日常生活を描いたが,対象を暖かい共感の目で見,特定のイデオロギーの立場によらず直接庶民の心情に触れた作品が多い。代表作『母と子』 La Mère et l'enfant (1900) ,『ビュビュ・ド・モンパルナス』 Bubu de Montparnasse (01) ,『ペルドリ爺さん』 Le Père Perdrix (02) ほか多くの短編がある。

フィリップ
Phillip, Arthur

[生]1738.10.11. ロンドン
[没]1814.8.31. サマセット,バス
イギリスの海軍軍人オーストラリアのニューサウスウェールズ初代総督。1755年海軍に入隊し,1788~90年シドニーに流刑囚植民地を建設。1792年健康を害して帰国。1814年大将。

フィリップ
Phillipe, Gérard

[生]1922.12.4. カンヌ
[没]1959.11.25. パリ
フランスの俳優。地方の舞台で巡業などを経験したのち,1943年パリに進出,コンセルバトアールに学ぶ。映画『肉体の悪魔』 (1947) ,『悪魔の美しさ』 (49) などでデリケートな甘い容姿に加え洗練された演技力を示し,一躍名声を得た。一方舞台でも『ル・シッド』 (51) で好評を得たのち,国立民衆劇場に参加,『ロレンザッチオ』 (53) などではなばなしい成功を収めた。そのほか,映画『花咲ける騎士道』 (52) ,『赤と黒』 (54) などが代表作であるが,若くして癌に倒れた。没後,夫人により回想的小説『ためいきの時』 Le Temps des soupirsが書かれた。

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デジタル大辞泉の解説

フィリップ(Charles-Louis Philippe)

[1874~1909]フランスの小説家。貧しい人々の生活を温かい共感をもって描いた。小説「母と子」「ビュビュ‐ド‐モンパルナス」など。

フィリップ(Gérard Philipe)

[1922~1959]フランスの俳優。国立民衆劇場の主演俳優として活躍。映画では「肉体の悪魔」「赤と黒」「モンパルナスの灯」などに主演し、二枚目として人気を得た。

フィリップ(Philippe)

(2世)[1165~1223]カペー朝第7代のフランス王。在位1180~1223。ルイ7世の子。司法行政組織を改革して中央集権化を達成、カペー王朝の最盛期をつくった。第3回十字軍に参加。また、イギリス国王と戦ってフランス内のイギリス勢力を駆逐。
(4世)[1268~1314]カペー朝第11代のフランス王。在位1285~1314。教皇と対立し、三部会の設置、教皇庁のアビニョン移転などにより王権を拡大した。
(6世)[1293~1350]バロア朝初代のフランス王。在位1328~1350。在位中に、イギリス国王エドワード3世との間で王位継承をめぐって百年戦争が起こった。

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百科事典マイペディアの解説

フィリップ

フランスの俳優。戦後フランス映画を代表する二枚目スター。カンヌ生れ。法律学校をへてパリのコンセルバトアール(国立音楽演劇学校)に学び,舞台でA.カミュの《カリギュラ》を演じて人気を得る。映画ではC.オータン・ララ監督の《肉体の悪魔》(1947年)で国際的なスターとなり,C.ジャック監督《パルムの僧院》(1947年),R.クレール監督《悪魔の美しさ》(1950年),R.クレマン監督《しのび逢い》(1954年),J.ベッケル監督《モンパルナスの灯》(1957年)などに出演し,洗練された演技と個性を発揮した。1951年以降は演劇にも力をそそぎ,〈傷のないダイヤモンド〉と称された。癌により早逝。

フィリップ

フランスの作家。パリ市役所に勤めながら,《母と子》(1900年),《ビュビュ・ド・モンパルナス》《ペルドリ爺さん》などで貧者の生活感情を素朴に表現。にじみ出る暖かい人間愛の表現などから,ポピュリスムの先駆者のひとりとみなすことができる。ほかに《小さき町にて》などの短編集や書簡集がある。
→関連項目ポピュリスム

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世界大百科事典 第2版の解説

フィリップ【Charles‐Louis Philippe】

1874‐1909
フランスの小説家。貧しい木靴工の息子として生まれ,父に死なれてからは母とともに物乞い生活をしたことさえある。貧弱な体格では当初志望の理工科大学への入学も不可能とわかり,文学の道を志すにいたる。パリではいろいろと零細な仕事を経た後に,バレスの口ききでパリ市の第7区役所に吏員としての職を得た。このような境遇からうかがわれるように,彼の作品の題材はつねに貧しい人たちの貧しい生活であり,それをイデオロギーの色眼鏡を通さずに,哀愁をこめて的確に描くのが,彼の小説家としての本領であった。

フィリップ【Gérard Philipe】

1922‐59
フランスの俳優。戦後フランス映画の代表的二枚目スターであるとともに,舞台では〈傷のないダイヤモンド〉と称賛されたほどの名優。南フランスのカンヌに生まれ,ナチ占領下のパリから南フランスに逃げてきた映画人たちに接して映画や演劇に関心をもち,舞台や映画に端役出演したのちパリのコンセルバトアール(国立音楽演劇学校)に学び,卒業後,舞台でカミュの《カリギュラ》(1945)の主役を演じて人気を不動のものにし,さらにラディゲの小説を映画化したクロード・オータン・ララ監督の《肉体の悪魔》(1947)でブリュッセル映画祭の最優秀男優賞を受賞して国際的なスターとなった。

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大辞林 第三版の解説

フィリップ【Gérard Philipe】

1922~1959) フランスの俳優。国立民衆劇場に属し古典劇に主演、また演出。映画では「肉体の悪魔」「花咲ける騎士道」「モンパルナスの灯」などに主演。気品ある二枚目として第二次大戦後のフランス映画の代表的俳優となったが早逝した。

フィリップ【Philippe】

(二世)(1165~1223) フランス国王(在位1180~1223)。イングランド王と争い領土を拡大、王権を伸長して支配強化を行いカペー朝の勢威を確立した。
(四世)(1268~1314) フランス国王(在位1285~1314)。王権の拡張に努め、教皇と対立。三部会の設立、アビニョン捕囚、テンプル騎士団の解散とその財産没収などを行なった。

フィリップ【Charles-Louis Philippe】

1874~1909) フランスの小説家。社会の底辺に生きる人々の生活を詩情をこめて描いた。代表作「ビュビュモンパルナス」「母と子」

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精選版 日本国語大辞典の解説

フィリップ

(Charles-Louis Philippe シャルル=ルイ━) フランスの小説家。下層階級の人々の生活を、素朴に、愛情をこめて描いた。作品に「ビュビュ‐ド‐モンパルナス」「小さき町にて」「若き日の手紙」など。(一八七四‐一九〇九

フィリップ

(Philippe)
[一] 二世。カペー朝第七代フランス王(在位一一八〇‐一二二三)。ルイ七世の子。市民階級と結び、封建貴族を打倒し、王領の拡大、中央集権を達成。特にイギリス王と戦ってフランス内のイギリス勢力を駆逐し、国内の司法・行政組織を整備した。第三回十字軍にも参加。(一一六五‐一二二三
[二] 四世。カペー朝第一一代フランス王(在位一二八五‐一三一四)。フィリップ三世の子。一三〇二年、はじめて都市の代表者を加えた三部会を召集して、ローマ教皇と争い、教皇庁をアビニョンに移させた。また、テンプル騎士団を解散させて中央集権化を図り、絶対王政の基礎を築いた。(一二六八‐一三一四

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世界大百科事典内のフィリップの言及

【国立民衆劇場】より

…ビラールは主宰していたアビニョンの野外劇フェスティバルの方式をこの大ホール(座席数約2700)にも適用し,額縁舞台の慣習を打ち破り,チップ制を廃止し,観客組織を強化するなどして,ことに50年代,失われた原初の演劇の感動を今日の大観衆に分けもたせることに成功した。なお,これにはG.フィリップやM.カザレスら名優たちの活躍も大いにあずかっている。シェークスピア,コルネイユ,モリエール,クライストなど古典の読み直しと,ブレヒト劇のフランスへの紹介の功が特筆される。…

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