日本大百科全書(ニッポニカ) 「マタニティマーク」の意味・わかりやすい解説
マタニティマーク
またにてぃまーく
妊娠していることを周囲に知らせるため、妊婦自身が身につけるマーク。表示することで、周囲の人が配慮を示しやすくするためのものである。妊娠初期は体調の不安定さが、外見上の変化として気づかれにくい。そのような妊婦が抱える問題を減らし、妊娠を支えるやさしい環境を整えるため、2006年(平成18)に「健やか親子21」推進検討会(事務局は厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課)がマタニティマークの運用を決定した。交通機関や職場、飲食店、公共機関などで、座席を譲る配慮や受動喫煙を防止する心遣いを呼びかけるため、一般啓発用のポスター、リーフレット、シールやマグネットなどでマークの周知をはかっている。妊婦個人が身につけるものとしては、マーク入りのキーホルダーや携帯電話用のストラップ、バッジ、シール、ステッカーを用意しており、配布を自治体や公共交通機関の事務局などが行う。原則として母子健康手帳交付と同時に全員に配布している市町村は、2013年9月末時点で1690に上る。
マタニティマークは、1999年に「BABY in ME」というマークが一部の妊婦に利用されたことをきっかけに、必要性に注目が集まった。以降、民間団体や地域でさまざまなデザインが用いられていたものを、厚生労働省がわかりやすく統一する目的で、デザインを公募してマークを選定した。
[編集部]