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マッチング理論(読み)まっちんぐりろん(英語表記)Matching Theory

知恵蔵miniの解説

マッチング理論

マッチング理論とは、様々な好みや希望を持つ人々同士をどのようにマッチさせ、限られた資源をどのように配分するかということを研究する理論である。様々な国家や社会に「制度疲労」が目立つ中、既存の市場や制度を分析する従来型の経済学と一線を画し、制度をどのように設計するかを究める「マーケットデザイン」の研究とも言える。2012年のノーベル経済学賞は、このマッチング理論を研究する米ハーバード大学のアルビン・ロス教授と米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のロイド・シャプレー名誉教授が受賞した。マッチング理論の代表的な事例として、1990年代にロス教授が行ったアメリカの研修医マッチング制度の改革がある。これは医師免許を得て臨床研修を受けようとする者(研修希望者)と、臨床研修を行う配属先の病院(研修病院)、双方の希望を最大限にかなえるため、数学理論を援用して行っているもので、日本でも導入している。

(2012-10-18)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マッチング理論
まっちんぐりろん

さまざまな嗜好(しこう)や希望をもつ人々同士の組合せについて研究する経済学理論。同理論の基礎をつくったアメリカ、カリフォルニア大学ロサンゼルス校名誉教授のロイド・シャプレーLloyd S. Shapley(1923―2016)と、同理論を応用発展させたハーバード大学教授のアルビン・ロスAlvin E. Roth(1951― )は2012年のノーベル経済学賞を共同受賞している。
 シャプレーとデビッド・ゲールDavid Gale(1921―2008)が発表した基本フレームは以下のようなものである。結婚相手を探している男女がそれぞれ同数いるとする。まずすべての男性(あるいは女性)がそれぞれ、気に入った女性(あるいは男性)一人に対し、告白する。複数の人から告白を受けた人は、もっとも気に入った一人だけ保留し、それ以外を拒否する。拒否された人は2番目に気に入った人に対して告白する。これを繰り返していくと、もっとも安定した組合せに落ち着き(この状態を「安定マッチング」とよぶ)、全体としてもっとも満足度の高い組合せが決定される。
 この理論は、「医学部学生」と「インターン受け入れ病院」、「中学校卒業生」と「公立高校」などの選択制度に活用されている。また「臓器ドナー」と「患者」のマッチングなど、限られたもの(たとえば資源など)を配分する際にも応用されている。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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