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マヤ象形文字 マヤしょうけいもじMayan hieroglyphic writing

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マヤ象形文字
マヤしょうけいもじ
Mayan hieroglyphic writing

3世紀頃,中央アメリカのマヤ族によって発明された文字。約 850の象形文字があり,神殿の壁面,石碑,祭壇,絵文書などに記されている。スペインの征服以来,解読の研究が続けられた。 16世紀にスペイン人の神父ランダは 29の象形文字をラテン語で表記してアルファベット表を作成したが,これをもとに暦や日付に関する文字の解読が進んだ。その後,アメリカの E.トンプソンは表意文字の観点から一つの象形文字のなかに接頭詞,接尾詞,形容詞,指示代名詞などが含まれていることや,略字法のあることなどを指摘した。ソ連の言語学者ユリ・クノロゾフは,コーデックスの文字を 287の基本的要素に還元し,表音,表意,限定詞の3種に分類して解読を試みた。またドイツの H.ベルリンは象形文字のなかに特定の都市の紋章や王朝名のあることを発見した。現在約 70%の文字の意味が解読されたといわれるが,文字の発音に関してはまだほとんどわかっていない。文字テキストは上から下へ,左から右へ2列が対になって読まれる。マヤ文字は普通大きな文字素である主字と小さな文字素である接字から成る。絵文書 (コーデックス) は,樹皮から作られる紙に書かれ,現在ドレスデン・コーデックス,パリ・コーデックス,マドリッド・コーデックス,グロリア・コーデックスと呼ばれる4つが残っている。さらにカーネギー研究所の T.プロスユリアコフは多数の石碑群を検討し,それらが歴史記録であることを実証し,新しい角度からの解読作業が進められている。

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