化学辞典 第2版 「マンノン酸」の解説
マンノン酸
マンノンサン
mannonic acid
C6H12O7(196.16).ヘキソン酸の一種.D-マンノン酸はD-マンノースの臭素水酸化,D-グルコン酸のエピマー化,D-アラビノースからのシアノヒドリンの加水分解などにより得られる.遊離酸は結晶としては得られず,シロップ状.ナトリウム塩は-8.8°(水).カルシウム塩の一水和物は融点165 ℃.-7.5°(水).水溶液を常温で長く放置すると,大部分がδ-ラクトンにかわり,100 ℃ で4 h 加熱するとγ-ラクトンとなる.γ-ラクトンは融点151~152 ℃.+51.8°(水).δ-ラクトンは融点162~163 ℃.+111.8→+28.3(28 h 後)→+39.9°(23 d 後,水).このようにδ-ラクトンはγ-ラクトンよりも加水分解されやすく,酸-ラクトンの平衡に達するまで変旋光する.これらラクトンをナトリウムアマルガムや水素化ホウ素ナトリウムで還元すると,D-マンノースとなり,硝酸で酸化すればD-マンナル酸となる.L-,DL-マンノン酸も非結晶性である.[CAS 6906-37-2][CAS 51547-37-6:L-マンノン酸]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報