マールワーリー資本(読み)マールワーリーしほん

改訂新版 世界大百科事典 「マールワーリー資本」の意味・わかりやすい解説

マールワーリー資本 (マールワーリーしほん)

インド北西部,ラージャスターン州バニアー(商人カースト)を総称してマールワーリーMārwārīという。原義は〈マールワール地方の人〉。彼らは19世紀に次々と東進や南進をして商圏を拡大し,全インドの商業,金貸業を広範に押さえるようになり,第1次大戦以降工業にも大々的に進出し,財閥が輩出した。インド最大のビルラー財閥がその典型で,バングル,シンガニア,モディ,バジャージ,ゴーエンカ,スーラジマル・ナーガルマル,サフ・ジャインなどもマールワーリー資本である。地縁血縁で固く結びついた諸社会集団を形成し,その成員間で信用を裏切ることがないし,相互扶助のネットワークは広範かつ密である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android