ラージャスターン州(読み)ラージャスターン(英語表記)Rājasthān

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラージャスターン州」の意味・わかりやすい解説

ラージャスターン〔州〕
ラージャスターン
Rājasthān

インド北西部の州。パキスタンと国境を接する。インド独立に伴って発足し,1956年の州再編成により 26の県を合わせて今日の州域が成立。州都ジャイプル。ビンディア山系(→ビンディア山脈)からインダス川平原へ移行する丘陵地を占め,中央を南北にアラーバリ山脈が走る。西部はタール砂漠で,一般に南東に向かうほど降水量は増えるが,農耕には灌漑が不可欠。7世紀以降ラージプートが割拠し,多数の藩王国を建設。独立後,それら旧藩王国が連合して州を形成。1950年代から灌漑の発展とともに農業が進展し,綿花産出は国内でも有数。雑穀,オオムギコムギトウモロコシ,米なども栽培されている。地下資源に富み,南西部の石膏,サンバール湖の塩をはじめ石灰石,雲母大理石などを産出。工業は綿織物,木工品,陶磁器象牙細工,刺繍,絨毯など伝統的な工芸品が中心。社会生活はラージプート諸王国時代の面影を伝えており,ラージプート絵画に飾られた建築物が各地に残る。チットルガル,カンブホールガー,サワイマードプルジャーラワールアンベールジャイサルメルに残されたラージプート時代要塞や砦が,2013年,ラージャスターン州の丘陵要塞群として世界遺産文化遺産に登録された。1974年インド初の地下核実験がタール砂漠のポカランで行なわれた。面積 34万2239km2。人口 6862万1012(2011)。

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