モディ(英語表記)Modi, Narendra

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モディ」の意味・わかりやすい解説

モディ
Modi, Narendra

[生]1950.9.17. ワタナガル
インドの政治家。首相在任 2014~ )。フルネーム Narendra Damodardas Modi。アーメダバードのグジャラート大学で政治学を学んだ。1970年代初めにヒンドゥー至上主義の民族義勇団 RSSに入り,RSS内で着実に頭角を現した。1987年インド人民党 BJP入党。翌 1988年 BJPグジャラート支部の書記長に就任。1990年グジャラート州政府の連立政権に入閣,1995~96年同州でインド初となる BJP主導の政権の樹立にひと役買った。1995年,ニューデリーの BJP全国組織の書記に就任,1998~2001年同書記長。2001年10月前任者の辞任をうけてグジャラート州首相に就任。2002年2月,グジャラート州議会議員の補欠選挙で初当選。2002年にイスラム教徒を主とする 1000人以上の犠牲者を出したグジャラート州の一連の暴動では,なんの措置も講じなかったことから非難を浴びた一方,同州の急速な経済成長により,有能な実務家としての名声を確立した。モディのもと,BJPは 2002,2007,2012年のグジャラート州議会選挙で勝利収め,同時にモディは党内の最も影響力ある指導者となり,インド首相候補に選出された。2014年の下院(ローク・サバー)選挙で BJPを勝利に導き,5月,首相に就任。就任後は,ただちに交通インフラストラクチャー改善やインドへの外国直接投資の自由化などの改革に次々と着手した。2019年の総選挙でも BJPが圧勝し,首相に再任された。

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百科事典マイペディア 「モディ」の意味・わかりやすい解説

モディ

インドの政治家。第18代インド首相。ナレンドラ・ダモダルダス・モディが正式名。インド人民党所属。グジャラート州出身。グジャラート大学で政治学を学ぶ(政治学修士)。2001年よりグジャラート州首相として手腕を発揮,3選されて2014年まで務める。卓越した行政手腕に加え,汚職事件が頻発するインド政界にあって,清廉な政治家として民衆的支持を集めた。州首相として新自由主義的な経済改革を推進,グジャラート州の経済成長をインドで最も高い水準に押し上げ,国民的レベルの人気政治家となった。2014年5月の総選挙でインド人民党が勝利し,首相に就任。2014年8月に初来日し安倍首相と首脳会談をもち,超大国中国への牽制を踏まえて〈日印特別戦略的グローバル・パートナーシップに関する東京宣言〉を発表,外務・防衛問題から経済分野まで協力関係を拡大していくことを確認した。その一方,就任直後の2014年5月には中国・李克強首相に〈インドの外交政策にとって中国は常に最優先国〉と伝えたとされるなど,全方位的な姿勢を示している。モディは宗教的にはヒンドゥー至上主義者とみられ,インドとの懸案をかかえるパキスタンをはじめイスラム諸国との関係の構築が注目される。インドの国際的イメージを傷つけている多発するレイプ事件をはじめ山積する国内問題への対処に改革手腕が発揮できるかが問われている。

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