ミカドドロバチ(読み)みかどどろばち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミカドドロバチ」の意味・わかりやすい解説

ミカドドロバチ
みかどどろばち / 帝泥蜂
[学] Euodynerus notatus

昆虫綱膜翅(まくし)目スズメバチ科に属する昆虫。体長10~15ミリ。体は黒色で黄色の斑紋(はんもん)を有する。斑紋は変化に富むが腹部背面の第一節から第四節後縁には横帯がある。5~9月ごろ平野部に出現する普通種であるが、北海道ではまれである。本州、四国、九州に分布する種と北海道産、あるいは琉球(りゅうきゅう)諸島産の種はわずかに形態が異なっている。巣は竹筒や空茎などの中につくられ、泥壁で幼虫室を仕切る。卵は1ミリほどの紐(ひも)で吊(つ)るして産み付けられる。幼虫の食物としてハマキガ、メイガ類の幼虫を狩る。

[須田博久]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のミカドドロバチの言及

【ドロバチ(泥蜂)】より

…その内部に2~3の独房をつくり入口に泥で換気孔をつける。ミカドドロバチEuodynerus notatus nipanicusは竹筒などに巣をつくる。オオフタオビドロバチAnterhynchium flavomarginatum micado(イラスト)は孔筒中やクマバチなどの旧坑道内に巣をつくり,入口に灰,砂粒,紙片などに唾液をまぜたものを塗り耐水性にする。…

※「ミカドドロバチ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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