ムシカ・フィクタ(その他表記)musica ficta

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムシカ・フィクタ」の意味・わかりやすい解説

ムシカ・フィクタ
musica ficta

音楽用語。 13~16世紀頃に用いられた名称で,教会旋法音階固有音を臨時に変化させること,あるいは変化記号によって音階を移調すること,またはこれらの音や用いられた変化記号そのものをさす。語源的には「偽りの音楽」をさすが,教会旋法は元来全音階的な固有音によって本来性格を保つものであるから,当時の楽曲では,変化記号が書かれずに,歌手たちの判断によって変化させることが多かった。

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世界大百科事典(旧版)内のムシカ・フィクタの言及

【調性】より

… 機能和声的調性(以後,調性と略す)の成立にはさまざまな要因が絡まっている。16世紀までの音楽は教会旋法(8~12種)に従って書かれていたが,ムシカ・フィクタ(教会旋法の半音階的変化音)の多用によってしだいに長調・短調の全音階に集約されていった。一方,1600年ころのモノディの誕生や,通奏低音の成立,そして器楽曲の発達にともない,調性は17世紀中に確立された。…

※「ムシカ・フィクタ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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