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教会旋法 きょうかいせんぽうchurch modes

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

教会旋法
きょうかいせんぽう
church modes

中世初期から 16世紀頃までの音楽を支配した旋法。ニ,ホ,ヘ,ト音の上に5度と4度の音程が積み重ねられてできている4つの正格旋法 (ドリア,フリギア,リディアミクソリディア旋法) と,これを4度下に移行させた形,すなわち4度+5度音程の構造をもつ4つの変格旋法 (ヒポドリア,ヒポフリギア,ヒポリディア,ヒポミクソリディア) とから成り,各旋法はそれぞれフィナリス (基音および終止音) やコンフィナリスまたはテノール (旋律中で特に好んで使用される音) をもつ。

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デジタル大辞泉の解説

きょうかい‐せんぽう〔ケウクワイセンパフ〕【教会旋法】

中世カトリック教会音楽、特にグレゴリオ聖歌に用いられる旋法。終止音と音域を異にする8または12種類に分けられる。

出典|小学館
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百科事典マイペディアの解説

教会旋法【きょうかいせんぽう】

グレゴリオ聖歌や1600年ごろまでの音楽を支配した旋法。理論的には全音階的音階であり,調号のない譜表でいえば,ニ,ホ,ヘ,トの終止音をもつ4種の旋法に大別される。
→関連項目モード・ジャズ

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世界大百科事典 第2版の解説

きょうかいせんぽう【教会旋法 church modes】

ヨーロッパ中世の典礼聖歌の旋律の基礎となる8種類の音階をいう。近世の機能和声にもとづく長調・短調とは異なり,これらの教会旋法は,旋律的節回しの原型であることを特色とする。したがって日本の伝統音楽の調子(雅楽,箏曲)をはじめ,非西欧音楽の各種音階と共通する点が多い。教会旋法の各種類の性格を決定づけるのは,図に示すように,歌い結びの音(終止音,フィナリスfinalis),節回しの上下する動きの軸となる音(レペルクッシオrepercussioまたはテノールtenorと呼ぶ),および各旋法固有の音域(アンビトゥスambitus)である。

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大辞林 第三版の解説

きょうかいせんぽう【教会旋法】

西洋の中世・ルネサンス期音楽の基礎となった全音階に基づく旋法体系。正格・変格4種ずつの旋法があり、一六世紀にはさらに近代の自然短音階・長音階のもととなるエオリア旋法・イオニア旋法が加わった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

教会旋法
きょうかいせんぽう
church modesecclesiastical modes英語
Kirchentneドイツ語

西洋中世およびルネサンスの音楽を構成した一種の音階。近代の長音階短音階が成立する以前のもの。理論的には、いわゆるグレゴリオ聖歌の楽句を、より重要な音に従って整理することから体系化された。旋法組織に関する詳細な解説が現れるのは9世紀中ごろであるが、理論体系の形成過程にはビザンティンの理論の影響も認められる。
 教会旋法とは、4種の中心音、ニ音、ホ音、ヘ音、ト音を核とする全音階的音列(ピアノの白鍵(はっけん)だけを用いた音列に相当する)で、1オクターブの音域(アンビトゥス)をもつ。この中心音は聖歌の終止音(フィナリス)からとられており、おのおの一対の旋法が共有する。一方は、終止音から上方に1オクターブの音域が展開する場合で正格(アウセンティクス)、他方は音域が低くとどまる(終止音の4度下から5度上まで)場合で変格(プラガーリス)とよばれる。そして、原則として正格では終止音より5度上、変格では3度上に属音(ドミナント)または副終止音(コンフィナリス)が置かれる。この終止音と属音が他の音よりも重要な機能をもち、とくに詩篇(しへん)唱などの朗唱では属音が延々と反復される。
 中世においては正格旋法、変格旋法に各4種類ずつ、計8種類が正式に認められており、さまざまな命名法がある。それぞれの終止音に従って、第1、第2、第3、第4旋法とし、これに正格と変格の区別をつける呼び方がもっとも古い歴史をもつ。それに対し、終止音の低い旋法から正格―変格の順で、単純に1~8までの序数でよんでいく方法は、中世から現代に至るまでもっとも一般的である。また9、10世紀、これと対応して、奇数に位置する正格旋法を、古代ギリシアの旋法名に倣い、ドリア、フリギア、リディア、ミクソリディアとよび、変格旋法についてはそれぞれの前にヒポ(下を意味する接頭辞)をつける方法が考案され、今日もしばしば用いられる。しかしこの場合、各旋法名は古代ギリシアの音組織と符合せず、中世の理論家の誤用が認められるが、その原因は明らかにされていない。
 16世紀中ごろには、スイスの理論家グラレアーヌスによって、イ音、ハ音を終止音とするエオリア旋法とイオニア旋法およびその変格旋法の4種が新たに追加され、旋法の数は12となった。12の旋法はオクターブ内での半音と全音の位置がおのおの異なるため、それぞれ独自の性格をもつ。しかし変化音の使用によって各旋法の独自性が薄らいでいくと、教会旋法は、近代の自然的短音階と長音階に一致するこのエオリアとイオニアの2種類の旋法にしだいに統合されていった。[磯部二郎]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の教会旋法の言及

【調】より

…したがって厳密にいえば,ハ長調とは〈ハを主音とする長旋法〉,ニ短調とは〈ニを主音とする短旋法〉のことである。 西洋では16世紀から17世紀にかけて,12種の教会旋法がしだいに長旋法(長調)と短旋法(短調)の2種に集約され,それらは19世紀末まで音楽を支配する基本的音組織となった。そしてオクターブの音階内には12個の異なる音が存在し,その各音を主音としてそれぞれ長調と短調を構成しうるから,12種の長調と12種の短調,合わせて24種の調が成立する。…

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