メアリー・バートン(読み)めありーばーとん(英語表記)Mary Barton

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メアリー・バートン」の意味・わかりやすい解説

メアリー・バートン
めありーばーとん
Mary Barton

イギリス女流作家ギャスケル長編小説。1848年刊。副題マンチェスターの生活の物語」。作者の夫が牧師をしていた大都市マンチェスターの貧民の悲惨な生活を、同情の目をもって、しかもリアルに描いている。労働者の政治闘争ストライキなど、当時のイギリスの現実にあった社会問題を背景に、殺人事件の謎(なぞ)を絡め、作者の根本思想たる人間の善意への信頼で温かく包んだ作品。

小池 滋]

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