知恵蔵 「メソポーラス」の解説 メソポーラス 1nm(n〈ナノ〉は10億分の1)から数十nmの大きさの孔(メソポア、meso‐pore)を多数持つ多孔性の材料をメソポーラス材料という。たくさんの孔を持つために比表面積が極端に大きく、1g当たり1000平方メートルを超えるものもある。触媒、分離材料、エレクトロニクス材料としての機能が期待されている。酸化ケイ素(シリカ)を始めとする無機物質や、種々の高分子を基材とするメソポーラス材料が開発、実用化されている。メソポアの制御が材料合成の上で重要なポイント。界面活性剤はnm単位の集合体を形成し、条件により大きさや形が変化する。これを鋳型としてその周りでメソポーラス材料のモノマー(単量体)を重合させ、孔の大きさを制御する。多数の貫通孔を持つ1mmから1cm程度の大きさをもつモノリス(一本石)は、高分解能のクロマトグラフィーなどに利用。 (市村禎二郎 東京工業大学教授 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報