日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
モラレス(Cristóbal de Morales)
もられす
Cristóbal de Morales
(1500ころ―1553)
スペインの作曲家。セビーリャに生まれる。アビラやプラセンシアの大聖堂楽長を務めたあと、ローマに出て、教皇庁聖歌隊歌手として活躍。晩年にはスペインに戻って、トレドやマラガの大聖堂楽長を務めた。モラレスは16世紀前半のスペインにおける最大の作曲家で、当時ヨーロッパの音楽界をリードしていたフランドル人作曲家たちの影響を受け、フランドル様式によるミサ曲、モテトゥス、マニフィカト、ラメンタツィオなど、多数の宗教曲を書いた。ほかに、スペイン語とイタリア語による世俗作品もすこし残している。
[今谷和徳]