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スペイン語 スペインごSpanish language

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スペイン語
スペインご
Spanish language

スペインのみならず中南米諸国(ブラジルを除く)の国語であり,世界中に 3億5000万人以上の話し手をもつ言語。イタリア語やフランス語などとともにいわゆるロマンス語派に属し,前3世紀末にイベリア半島がローマ帝国の属領になって以来定着したラテン語が変化したもの。しかし,イベリア半島が 5世紀以降ゲルマン民族の,8~15世紀にはアラビア人の支配を受けたため,ゲルマン語やアラビア語からの借用語が多い。最初の文献は 10世紀。カスティリアアンダルシア,レオン=アストゥリアスナバラアラゴンの三つの方言があるが,このうちカスティリア方言が優勢で標準語の地位を占めている。中南米のスペイン語もカスティリア方言を基盤にしているが,特に音韻面で,異なる特徴を生み出している。

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百科事典マイペディアの解説

スペイン語【スペインご】

インド・ヨーロッパ語族に属するロマンス語の一つ。前6世紀にイベリア半島に侵入したローマ人の口語ラテン語が発展したもの。それ以前に半島で話されていた言語については不明な点が多いが,〈原初イベリア語〉(イベリア語)と一括・総称されている(バスク語がその名残りであるとする説もある)。
→関連項目ポルトガル語

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世界大百科事典 第2版の解説

スペインご【スペイン語 Spanish】

ロマンス語の一つ。スペイン国内の約2700万人をはじめ,中南米各国,アフリカの各地,フィリピンなどで用いられ,その総使用人口は約1億5000万,英語などと並び世界で最も有力な言語の一つとなっている。スペインと中南米の19ヵ国,計20ヵ国では公用語であり,また国際連合でも公用語の一つとなっている。スペイン語圏では一般に反英語感情が強い傾向がある。なお,スペインではスペイン語のほかに,カタルニャ語,ガリシア・ポルトガル語,バスク語が話されている。

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大辞林 第三版の解説

スペインご【スペイン語】

スペインおよび中南米諸国(ブラジル・ハイチなどを除く)の公用語。インド-ヨーロッパ語族イタリック語派に属し、ラテン語から発したロマンス諸語の一つ。イスパニア語。

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世界の主要言語がわかる事典の解説

スペインご【スペイン語】

インドヨーロッパ語族イタリック語派に属する、ロマンス諸語の一つ。スペインと中南米19ヵ国の公用語。アメリカやフィリピンなどでも話され、話者数は4億2000万人。国際連合の公用語の一つでもある。もとは紀元前3世紀末からイベリア半島に侵入したローマ人のラテン語で、これが民衆の方言として定着、分化した。このうち、8世紀からのイスラム勢力に対するキリスト教徒の国土回復戦争(レコンキスタ)で主導権をにぎったカスティーリャ王国の言語(カスティーリャ方言)が、15世紀末のスペイン王国の成立とともに標準語としての地位を獲得した。中南米では15世紀末からスペイン人征服者の言語(おもに南部のアンダルシア方言)が先住民の言語を圧倒した。スペイン語の語彙(ごい)の多くはラテン語起源だが、ギリシア語バスク語ケルト語派、ゲルマン語、アラビア語などからの借用語もある。母音は5つで、日本語のアイウエオにほぼ等しい。文法ではとりわけ動詞の複雑な活用に屈折語の特徴をとどめている。◇成立の歴史から、カスティーリャ語ともいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スペイン語
すぺいんご

イベリア半島の大部分、北アフリカの一部、およびブラジルを除く中南米19か国(プエルト・リコを含む)で公用語として用いられている言語。それを日常使用している人々の数は約1億5000万人、使用人数のうえからは、中国語、英語に次いで、世界第3位といわれている。当然のことながら国際連合の公用語の一つとなっている。
 フランコ総統の独裁政治の時代には、スペイン語しか公用語として認められなかったスペインにも、彼の死(1975)後、地方主義的傾向が急速に高まりをみせ、現在ではポルトガル語系のガリシア語、非インド・ヨーロッパ語の一つであるバスク語、主としてイベリア半島の東部で話されているカタルーニャ語の3言語も、スペインの公用語の仲間入りをしている。また、このほかに、スペイン語の下位区分としての方言として、カンタブリア山脈中で話されているレオン方言、ピレネー山脈の奥深い村々で話されているアラゴン方言、イベリア半島南部のアンダルシア方言がある。なお、中南米のスペイン語諸国で話されているスペイン語も、大まかにいって、アンダルシア方言と音声的に類似の特徴を有している。[原 誠]

音声的特徴

母音については、日本語と類似の、i、e、a、o、uからなる、きれいな五母音体系をなしている。子音については、まず有声・摩擦音系列、つまりv、、zといった音が欠けていることが目だった特徴であろう。また、非常に摩擦の強い無声・歯間音θや、江戸っ子の巻き舌に相当する震え音があることも特筆に値しよう。日本語の促音のような喉頭(こうとう)の緊張を伴う音や、声門閉鎖音を極度に嫌う言語でもある。音節構造が原則として「子音+母音」という組合せから成り立っており、口の開閉が最大限に行われることも手伝って、聞く者の耳に、スペイン語は歯切れのよい言語であるとの印象を与える。また、呼気の続く限り、たとえ単語と単語との間であろうと、音声をつなげて発音するのが原則なので、非常にスピーディーで聞き取りにくいという印象をもつ人もいるかもしれない。アクセントは、日本語のように音の高低によって単語の意味を弁別するのではなく、英語やドイツ語のような音の強弱からなるストレス・アクセントである。ただし、疑問文の場合などには、上昇調の音調が用いられることは、いうまでもない。[原 誠]

文法的特徴

名詞・形容詞に男性・女性、単数・複数の別があることなどは、スペイン語の主たる文法的特徴とはなりえないだろう。それよりもスペイン語の主たる文法的特徴は動詞にあるように思える。動詞には、直説法現在形、同完了過去形、同不完了過去形、同未来形、同過去未来形、接続法現在形、同過去形の合計七つの単純時制があり、各時制につき人称・数によりそれぞれ六つの相異なる活用形があるから、相当複雑な活用体系をなしているということができよう。また、これら七つの単純時制のおのおのにつき、「完了」を表す複合時制があることも忘れてはならない。このほかに命令法、不定詞、現在分詞、過去分詞もある。
 以上を要するに、動詞の活用語尾が非常に複雑・多様であるために、英語、フランス語、ドイツ語のように、定動詞の前に主語人称代名詞を置くことが義務的ではなく、むしろそれを表出するほうが異常なくらいである。このことから、ひいてはラテン語ほどではないにせよ、語順が比較的自由であるという特徴が生まれる。そのほか、英語のように非常にポピュラーな動詞に副詞や前置詞をつけて新たな意味を出す手法を嫌う、すなわち単一の意味に単一の形をした動詞が対応するようになっている。再帰動詞も非常に多数である。つまり「起こす」という他動詞に、再帰代名詞「自分自身を」をつけて、自動詞的意味「起きる」を出す仕組みになっている。[原 誠]

変遷・成立

紀元前3世紀末のイベリア半島へのローマ人侵入以前の、イベリア半島の言語については、わずかのことしか知られていない。かろうじて、ケルト・イベリア語とかバスク語などが話されていたことがわかっている。そこへローマ人の侵入が始まったのだが、彼らがもたらしたラテン語は普通「俗ラテン語」とよばれている口語のラテン語であり、これはこの時期には、発音のうえでも、語彙(ごい)のうえでも、文法のうえでも、「古典ラテン語」とよばれている文語のラテン語とは著しく異なった言語となっていた。したがって、スペイン語の祖語は何かという問いに対し、「ラテン語」であるという答えは不正確であり、「俗ラテン語」であるという答えが正しい。なお、現在、大学で教えられているラテン語は「古典ラテン語」であり、スペイン語の祖語とは無関係である。この俗ラテン語は、ローマ人によってイベリア半島にのみ運ばれたわけではなく、ローマの勢力伸張とともにヨーロッパ各地に運ばれ、各地で先住民諸語を圧倒して公用語となった。それらの言語がルーマニア語、イタリア語、レト・ロマン語、サルデーニャ語、フランス語、プロバンス語、カタルーニャ語、スペイン語、ポルトガル語などで、総称してロマンス諸言語とよばれている。ということは、スペイン語は、イタリア語やフランス語やポルトガル語とは姉妹関係にあるということである。
 話をもとに戻して、イベリア半島東部に運ばれた俗ラテン語は、のちにカタルーニャ語となり、同西部に運ばれたそれはのちにガリシア・ポルトガル語となった。そして、中央部に運ばれた俗ラテン語は、レオン方言、アラゴン方言、カスティーリャ方言の3方言に分かれて、それぞれ同名の地方に根を下ろすことになった。これらいずれのラテン系の言語も、ローマ侵入以前の先住民諸語を駆逐してしまったことは、一驚に値するのではあるまいか。現代スペイン語のなかに、ローマ侵入以前の諸言語からの借入語を捜してもさしたる数にはならない。ということは、現代スペイン語の母体は大部分、俗ラテン語であるということである。それを物語るかのように、5世紀初頭に北方から半島に侵入してきた、西ゴート人に代表されるゲルマン系の民族からの借用語は、ほんのわずかばかりの軍事関係の語彙のみであり、また8世紀初頭に北アフリカから怒濤(どとう)のようにスペインに侵入してきたイスラム教徒たちの話していたアラビア語からの借用語こそ、なるほど多数に上ったものの、音声面についてはアラビア語の音声の影響などいささかも受けていないのである。
 さて、8世紀にイスラム教徒に対してカンタブリアの山中で始まったレコンキスタ(国土回復運動)において主導権を握ったのはカスティーリャ地方の人々であった。したがって、1492年のグラナダ王国の滅亡によって終了するレコンキスタが南下するにつれて、カスティーリャの人々が話していたカスティーリャ方言も南下し、これが結局15世紀末のスペイン王国成立とともに標準スペイン語となる。スペイン語のことを一名カスティーリャ語とよぶのはこのゆえである。さらに、このスペイン語は、1492年のコロンブスの航海以降、アメリカ大陸にもたらされ、123種を数えた先住民語を押しのけて、プエルト・リコを含む19か国の公用語として今日に至っているのである。[原 誠]
『原誠著『スペイン語入門』(1979・岩波書店) ▽原誠著『スペイン語の第一歩』(1980・三修社)』

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世界大百科事典内のスペイン語の言及

【ロマンス語】より


[分類・分布]
 ロマンス語の分類に関してはさまざまな試みがなされているが,19世紀末に死滅したダルマティア語(かつてアドリア海東岸に分布)を今日使用されているロマンス語に加えたうえで,次のような分類が考えられる(配列順序はヨーロッパにおける分布をおおよそ西から東にたどったもの)。(1)ポルトガル語,(2)スペイン語,(3)カタロニア語(カタルニャ語,カタラン語とも),(4)オック語(オクシタン(語)とも),(5)フランコ・プロバンス語Franco‐Provençal,(6)フランス語,(7)レト・ロマン語(レト・ロマンス語とも),(8)サルジニア語(サルデーニャ語とも),(9)イタリア語,(10)ダルマティア語Dalmatian,(11)ルーマニア語。これらの〈言語〉はいずれもいくつかの地域的な変種(方言)を含んでいるが,(1)(2)(3)(6)(9)(11)のように超局地的な共通語(標準語)の確立している言語と,そのような標準語をもたない(4)(5)(7)(8)(10)のような言語とがある。…

※「スペイン語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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