ヤナギタンポポ(英語表記)Hieracium umbellatum; narrowleaved hawkweed

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤナギタンポポ」の意味・わかりやすい解説

ヤナギタンポポ
Hieracium umbellatum; narrowleaved hawkweed

キク科多年草北半球温帯に広く分布し,日本全域の山地のやや湿ったところに生える。茎は直立して 80cmほどの高さになり,硬質であまり分枝せず無毛。根出葉は長い柄のある長さ5~12cmの楕円形で,花時には枯れてなくなっている。茎葉は無柄の細い披針形で縁には少数の鋭い鋸歯がある。夏から初秋にかけて,茎の先端がやや散形に分枝し,舌状花のみから成る黄色の頭花をつける。総包は鐘形で暗緑色をしている。果実赤褐色痩果で,淡褐色の冠毛がある。同属のミヤマコウゾリナ H. japonicumは本種よりやや小型の高山性の草本で,全体に粗毛と腺毛があり,花時にも根出葉があるので区別しやすい。

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世界大百科事典(旧版)内のヤナギタンポポの言及

【ミヤマコウゾリナ】より

…果実は円柱形の瘦果(そうか)で,汚褐色,剛毛状の冠毛があり,風により散布される。 ミヤマコウゾリナ属Hieracium(英名hawkweed)は,ヨーロッパを中心に世界に約800種あり,日本には他にヤナギタンポポH.umbellatum L.が日本全土に産する。また,橙赤色の頭花をつけるコウリンタンポポH.aurantiacum L.が,ヨーロッパから北海道,東北地方に帰化している。…

※「ヤナギタンポポ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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