日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ヤング(Arthur Young)
やんぐ
Arthur Young
(1741―1820)
イギリスの農学者。イングランドのサフォークに生まれる。自らは農場の経営に失敗したが、各地を旅行して旅行記をまとめるとともに農業改良を進め、1793年には農務局長となり、イングランド各県の農業事情の調査報告書作成の中心となった。ヤングの農業改良論の基礎となったのは、輪作農法を取り入れて生産性を急速に高めつつあったノーフォーク県の農法であり、彼の一生はこの農法の普及に捧(ささ)げられたといってもよい。囲い込み(エンクロージヤー)とそれに基づく大農経営の熱心な主張者でもあった。著書に各地の旅行記のほか、『農業経済』Rural Economy(1770)、『農民暦』The Farmer's Calendar(1771)、『政治算術』Political Arithmetic(1774)などがある。
[浜林正夫]