政治算術(読み)せいじさんじゅつ(その他表記)Political Arithmetik

改訂新版 世界大百科事典 「政治算術」の意味・わかりやすい解説

政治算術 (せいじさんじゅつ)
Political Arithmetik

ウィリアム・ペティによって1670年代に書かれ,90年に出版された本。小著ではあるが,その中でペティは〈数と量と尺度によって〉社会対象とした議論を展開する方法を提案し,かつそれを当時のイギリスフランス国力比較に関して実際に示している。これにより統計学,経済学上の重要な古典となった。またペティに始まる統計的学問は一般に政治算術と呼ばれるようになった。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の政治算術の言及

【政治算術】より

…これにより統計学,経済学上の重要な古典となった。またペティに始まる統計的学問は一般に政治算術と呼ばれるようになった。【竹内 啓】。…

【統計学】より

…また計量生物学と呼ばれるもののなかには,農業,医学,薬学,生態学などへの応用も含まれ,それぞれ独立した応用分野となりつつある。
【統計学の歴史】
 統計学の前身として,ふつう政治算術political arithmetic,国状論Staatenkunde,確率論の三つがあげられる。いずれも17世紀にそれぞれイギリス,ドイツ,フランスで生まれたものである。…

【産業】より

… クラークは,経済の発展につれて,第1次産業の比重は労働力構成比でみても,所得構成比でみても長期的に低下する傾向を示しており,他方,第2次産業は所得構成比でみて上昇傾向,そして第3次産業は労働力構成比でみて上昇傾向を示すことを明らかにした。 クラークは17世紀にW.ペティが書いた《政治算術》の中の次の文章に注目し,彼の第1次産業の縮小,そして第2次・第3次産業の拡大を内容とする実証分析のビジョンはペティにまでさかのぼることができるとした。ペティは〈農業よりも製造業によるほうが,さらに製造業よりも商業によるほうが利得がはるかに多い〉と述べている。…

※「政治算術」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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