日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤンバル」の意味・わかりやすい解説
ヤンバル
やんばる
沖縄本島北部地域の呼び名。漢字で「山原」と書く。行政的には大宜味(おおぎみ)、東、国頭(くにがみ)の3村をさすことが多い。世界でもこの地域にしか分布していないキツツキの一種ノグチゲラの生息地として知られていたが、1981年(昭和56)にヤンバルクイナ、1983年にヤンバルテナガコガネなどの固有種も新たに発見された。ヤンバルには東洋区と旧北区の移行帯にある南西諸島の象徴的な自然が存在する。だが、赤土流出の誘因となる森林伐採や、林道建設、ダム工事、農地開発により生態系への影響が懸念されており、環境保全への取組みがなされている。
[永戸豊野]
〔世界遺産の登録〕2021年(令和3)、ヤンバル地域はユネスコ(国連教育科学文化機関)により「奄美(あまみ)大島、徳之島、沖縄島北部および西表島(いりおもてじま)」として世界遺産の自然遺産に登録された(世界自然遺産)。
[編集部 2022年1月21日]