大宜味(読み)おおぎみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大宜味」の意味・わかりやすい解説

大宜味(村)
おおぎみ

沖縄県沖縄本島北部、国頭郡(くにがみぐん)にある村。方音ウジミ。海岸に沿って国道58号が走り、国道331号が村を横断する。開析された隆起海食台が海に迫り、台地面は山林で、村の76%を占める。中央部に塩屋湾と宮城島があり、やんばる国立公園の一部。島とは塩屋大橋と宮城橋で結ばれている。第二次世界大戦前から出稼ぎが多く、大宜味大工の名で知られる。現在は農業が中心で、サトウキビパイナップルを栽培、特産物として柑橘(かんきつ)類の一種シークヮーサーがある。喜如嘉(きじょか)地区ではオクラレルカ(アヤメ科)、織物芭蕉布(ばしょうふ)(国指定重要無形文化財)を生産し、村立の芭蕉布会館がある。琉球(りゅうきゅう)古典劇『花売りの縁』の舞台。旧暦7月の塩屋湾のウンガミ(海神祭)は国指定重要無形民俗文化財。面積63.55平方キロメートル、人口3092(2020)。

堂前亮平]

『『大宜味村史』全2巻(1978~1979・大宜味村)』


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改訂新版 世界大百科事典 「大宜味」の意味・わかりやすい解説

大宜味[村] (おおぎみ)

沖縄県,沖縄島(本島)北部の西海岸にある国頭(くにがみ)郡の村。人口3221(2010)。北部の脊梁山地から,開析された隆起海食台が海に迫り,海岸と塩屋湾岸に沿って沖積低地がある。台地面は山林で,村域の70%を占めているが,近年台地上の開発が促進され耕地が拡大し,シイクワシャー,ミカンなどの果樹,花卉,サトウキビを栽培している。また養豚も盛んである。第2次世界大戦前から出稼ぎが多く,大宜味大工の名で知られる。喜如嘉(きじよか)村落では,かつての水田に代わってイグサを栽培しており,また,沖縄を代表する織物の芭蕉布を生産していることでも有名。旧暦7月に海神祭(ウンジャミ)が行われ,海岸一帯は沖縄海岸国定公園に指定されている。
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