ユビナガホンヤドカリ(その他表記)Pagurus dubius

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユビナガホンヤドカリ」の意味・わかりやすい解説

ユビナガホンヤドカリ
Pagurus dubius

軟甲綱十脚目ホンヤドカリ科(→ヤドカリ類)。甲長約 5mmの小型種。甲,鋏脚,歩脚は長毛で覆われ,地味な灰緑褐色であるが,濃淡が複雑な模様をつくる。歩脚の先端の節(指節)がその手前の節(前節)よりも長いのがこの種の特徴で,和名の由来になっている。内湾の砂泥地,特に河口近くにごく普通に見られるため,内湾性海岸の指標として利用される。10月~3月頃までは,少し深みの藻場に移動し,越冬中に抱卵する。北海道から九州,朝鮮半島に分布する。(→甲殻類十脚類節足動物軟甲類

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世界大百科事典(旧版)内のユビナガホンヤドカリの言及

【ホンヤドカリ】より

…クロダイの釣餌になる。各地の内湾の干潟には,近縁のユビナガホンヤドカリP.dubiusが生息している。形態はよく似ているが,歩脚が細長く,とくに指節が前節よりも明らかに長い。…

【ヤドカリ(宿借)】より

…雑食性であるが動物質を好む。 日本近海のサンゴ礁にはスベスベサンゴヤドカリCalcinus laevimanus,コモンヤドカリDardanus megistos,浅海にはオニヤドカリAniculus aniculus,ヨコスジヤドカリD.arrosor,ソメンヤドカリD.pedunculatus,磯にはホンヤドカリPagurus geminus,イソヨコバサミClibanarius bimacratus,ヤマトホンヤドカリP.japonicus,干潟にはユビナガホンヤドカリP.dubiusが多い。 釣餌にされ,またオカヤドカリなどは子ども相手に夜店などで売られる。…

※「ユビナガホンヤドカリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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