日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ユング(Edgar Jung)
ゆんぐ
Edgar Jung
(1894―1934)
ドイツの評論家。第一次世界大戦では航空兵、のちに義勇軍兵士となる。戦後、弁護士となったが、ドイツ人民党(DVP)で活動し、とくにフランスに支援されるプファルツの分離主義と闘い、1924年初め、その指導者を暗殺したのちミュンヘンに逃れ、文筆活動を始めた。著書『劣等人間の支配』(1927)によってキリスト教的・保守的革命を主張した。だが彼は、ナチズムの行動主義を退け、その人種論と大衆的性格を批判した。1932年以来首相パーペンの政治顧問となり、1934年6月17日マールブルクでのパーペンのナチス批判演説を起草したが、このため逮捕され、6月30日~7月1日のレーム事件の最中に殺害された。
[吉田輝夫]
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