改訂新版 世界大百科事典 「ラインラントファルツ」の意味・わかりやすい解説
ラインラント・ファルツ
Rheinland-Pfalz
ドイツ西部の州(ラント)。州都マインツ。面積1万9853km2。人口406万(2004)。1947年5月18日の憲法により,1946年8月30日のフランス軍政府の命令によって形成されたフランス占領地域の北半分から形成され,以前のバイエルン領のファルツ,プロイセン領のコブレンツ県とトリール県,ヘッセン・ナッサウ州の四つの郡,ヘッセンのライン川左岸部分からなる。ラインラント南部のライン川中流地域とファルツが中心となっているが,州境が歴史的・経済的連関を無視して設定されたため,マインツやウォルムスがライン川右岸の郊外を失い,ルートウィヒスハーフェンはマンハイムと切断された。北部の片岩山脈,中部のザール川,ナーエ川山地と南部のファルツの森林地をもち,農業と林業が中心でブドウの栽培面積は旧西ドイツの70%を占め,著名なブドウ酒の産地である。工業はルートウィヒスハーフェン,マインツを中心に化学工業や石材工業,事務機械製造等が盛んである。宗教ではカトリック人口が多数を占める。
執筆者:川本 和良
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報